平成29年度 公害防止管理者 大気特論 問5を解説|気体燃料の燃焼と燃焼装置(火炎の長さ)
平成29年度 大気特論 問5は、ガスを燃やすときの火炎の伸び方と装置の混合方式に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ガスバーナーの世界を、混ぜてから燃やすか、出しながら混ぜるかという2本の軸で整理する問題です。引っかけの核心は、燃料ガスの吹き出し速度を上げていったときに火炎の長さがどう変わるかという一点にあります。速度を上げれば長くなる領域と、上げてもほとんど変わらない領域があり、その境目を取り違えさせる作りになっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | あらかじめ混ぜた気体には、薄すぎても濃すぎても火が伝わらなくなる濃度の上限と下限があります。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 乱れた流れになったあとは、速度を上げても火炎の長さはほとんど変わりません。速度に比例して短くなり続けるわけではありません。 |
| (3) | ○(正しい) | 整った流れのうちは、送り込むガスが増えるほど燃え尽きるまでの距離が伸びます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 完全予混合形は、必要な空気を全量まぜてから火をつける方式で、短く輝きの少ない火炎になります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 拡散燃焼形は、炉の中で混ざりながら燃える方式で、逆火の心配がなく大容量に向きます。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
拡散燃焼では、燃料と空気が接する面で混ざりながら燃えるため、火炎の長さは混ざりきるまでの距離で決まります。ノズルから出る流れが整っているうちは、分子どうしがゆっくり入り混じるしかないので、供給量を増やした分だけ混合に時間がかかり、火炎はまっすぐ伸びていきます。ここまでは選択肢(3)のとおりです。
ところが噴出速度を上げ続けると、流れが乱れて渦を含むようになります。この乱れが空気を巻き込む働きをするため、供給量が増えるのと同じ勢いで混合も速くなり、両者が打ち消し合います。その結果、乱れた流れの領域に入ってからは、噴出速度をいくら上げても火炎の長さはほぼ一定のままになります。整った流れから乱れた流れへ移り変わる途中では火炎がいったん急に縮みますが、これは移行の途中で起きる現象で、乱れた領域に入ったあとまで縮み続けるわけではありません。
したがって、速度に比例して短くなるという言い方は成り立ちません。整った流れでは比例して伸び、乱れた流れではほぼ横ばい、という2段構えで覚えておくと、伸びる側と横ばいの側を入れ替えた出題にも対応できます。
覚え方
- 拡散火炎の長さは整った流れなら速度に比例して伸び、乱れた流れならほぼ一定。移行の途中だけ急に縮む。
- 拡散燃焼の火炎長は混ざりきるまでの距離。乱れは混合を助けるので、供給増と相殺する。
- 予混合は短炎で逆火の危険あり、拡散は長炎で逆火の心配なし。安全と火炎形状はセットで動く。
- 混ぜてから燃やす方式には濃度の上限と下限がある。薄すぎても濃すぎても火は伝わらない。
理解度チェック
拡散燃焼で噴出速度を上げていくと、火炎の長さはどう変化するか。
整った流れの領域では速度にほぼ比例して長くなり、乱れた流れの領域に入るとほぼ一定になります。両者の間の移行域では、火炎がいったん急に短くなります。
完全予混合形と拡散燃焼形の装置は、どこが違うか。
混ぜる場所です。完全予混合形は燃料ガスと燃焼用空気の全量をバーナーの手前で混ぜてから燃やし、拡散燃焼形は燃焼室の中で少しずつ混ぜながら燃やします。前者は短炎、後者は長炎になります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月