平成29年度 公害防止管理者 大気特論 問2を解説|液体燃料のJIS規格(軽油を分ける基準)
平成29年度 大気特論 問2は、ガソリン・灯油・軽油の規格上の区分と品質値に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
石油製品ごとに、密度の大小、号数による区分の意味、硫黄分の上限といった規格の骨格を確認する問題です。引っかけの核心は、軽油をいくつかの号数に分けている分類の物差しが何かという点にあります。区分の数は合っているのに、分ける基準だけをすり替えるという作り方をしています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ガソリンは軽油より軽質な留分で、密度は軽油より小さくなります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 自動車用ガソリンの2号はレギュラーに相当する側で、オクタン価は1号より低く抑えられています。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 灯油は室内で燃やす用途とそれ以外の用途で1号・2号の2区分に分かれます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 現行の軽油は硫黄分をごく微量まで下げたものに統一されており、質量比で示された上限値と整合します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 区分の数は合っていますが、分ける物差しが違います。軽油の号数は低温でも流れるかどうかで決まり、動粘度で分けるのではありません。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
軽油に号数が付いているのは、寒さに耐えられるかどうかを区別するためです。軽油は冷えるとワックス分が固まり、燃料フィルターを詰まらせて送油が止まります。そこで、低温でどこまで流れ続けるかを示す指標にもとづいて等級を分け、温暖な地域や夏向けのものから、寒冷地や厳冬期向けのものまでを用意しています。北海道の冬に南向けの軽油を入れると走れなくなる、というのが号数の実務的な意味です。
これに対して動粘度は、軽油の号数を決める物差しではありません。動粘度は噴射ノズルでの霧化のしやすさやポンプの潤滑に関わる項目として規格の中に置かれていますが、等級を切り分ける軸として使われているわけではないのです。区分の数が合っていると安心して基準名を読み飛ばすと、この肢はそのまま正しく見えてしまいます。号数が出てきたら、何で分けているのかまで思い出す習慣をつけてください。
覚え方
- 号数を見たら分類の物差しを問い直す。軽油の号数は寒さ対策、灯油の号数は用途で分かれる。
- 灯油は室内用と動力用の2区分、軽油は温暖地向けから厳寒地向けまでの5区分。数だけでなく軸をセットで覚える。
- ガソリンの号数はノッキングの起きにくさ。1号がハイオク側、2号がレギュラー側。
- 軽油の硫黄分は0.0010質量%以下まで下げられている。硫黄分の話は硫黄酸化物の発生と排ガス側の腐食に直結する。
理解度チェック
軽油が複数の号数に分けられているのは、何を区別するためか。
低温での流動性です。冷えたときにワックスが析出して流れにくくなる度合いが等級ごとに違い、使用する地域や季節に応じて選びます。動粘度で分けているのではありません。
灯油の1号と2号は、何によって分けられているか。
用途です。1号は暖房やこんろのように室内で燃やす用途を前提に品質要求が厳しく、2号は動力用や洗浄用など室内の空気環境を直接左右しない使われ方を想定しています。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF)
- JIS の石油製品規格(自動車ガソリン・灯油・軽油の種類と品質項目)
※ この記事の確認日:2026年7月