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平成29年度 公害防止管理者 大気特論 問1を解説|燃料の発熱量の大小関係(水素はどこに入るか)

平成29年度 大気特論 問1は、燃料を単位量あたりの熱量で並べた順序に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

気体・液体・固体それぞれについて、代表的な燃料を熱量の多い順に並べた5本の並びを見比べ、順番が崩れているものを1本だけ探す問題です。引っかけの核心は、気体の並びに水素が紛れ込んでいる点にあります。気体は体積を分母にして比べるという前提を押さえていれば、水素の位置だけで答えが決まります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)水素を炭化水素どうしの間に置いた並びです。体積を分母にすると水素は最も小さくなり、エタン、メタン、水素の順になります。
(2)○(正しい)同じ体積に詰まる分子の数がほぼ同じなら、炭素数の多い分子ほど1個当たりの燃焼熱が大きくなります。正しい並びです。
(3)○(正しい)液体は容量を分母にするため、密度の大きい重質な油ほど上に来ます。重油、軽油、ガソリンの順で正しい並びです。
(4)○(正しい)A重油、灯油、ナフサの順に軽質になり、同じ1リットルに含まれる炭素分も同じ順に減ります。正しい並びです。
(5)○(正しい)灰分も水分もほとんど残らないオイルコークスが最も大きく、揮発分・灰分・水分を抱える一般炭が最も小さくなります。正しい並びです。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

この設問は、気体燃料を標準状態1立方メートル当たりで比べると明記しています。つまり分母は体積です。同じ体積の気体には、種類によらずほぼ同じ数の分子が入るので、体積当たりの熱量は分子1個を燃やしたときに出る熱の大小でほぼ決まります。炭素と水素をたくさん抱えた大きな分子ほど有利で、メタンよりエタン、エタンよりプロパンが大きくなるのはこのためです。

水素はこの土俵では最も不利です。分子が2個の水素原子だけでできており、燃えても生じるのは水だけなので、1個当たりの発熱が炭化水素に遠く及びません。したがって水素をメタンより上に置いた並びは成り立たないことになります。水素は質量を分母にすれば全燃料の中で最大という性質があり、この印象に引きずられると順位を上げてしまいます。分母が体積か質量かで順位はひっくり返る点が、この問題の狙いです。

覚え方

  • 並べ替え問題は分母を先に見る。気体は体積、液体は容量、固体は質量で比べる。
  • 体積当たりなら分子の大きさ順。メタン、エタン、プロパンと炭素数どおりに上がる。
  • 水素は質量当たりで最大、体積当たりで最小。順位が逆転する唯一の要注意燃料。
  • 液体と固体は、重いほど・炭素が詰まっているほど上。軽質油と揮発分の多い石炭が下に来る。

理解度チェック

Q.

水素の発熱量は、メタンより大きいと言えるか。

比べる分母によります。質量当たりでは水素のほうが大きく、体積当たりではメタンのほうが大きくなります。気体燃料の比較は体積当たりで行うのが通例なので、この設問では水素が下に来ます。

Q.

同じ容量で比べたとき、ガソリンと重油ではどちらの発熱量が大きいか。

重油です。重質な油ほど密度が大きく、同じ1リットルに含まれる炭素分と水素分が多くなるため、容量当たりの熱量も大きくなります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF