平成28年度 公害防止管理者 大気特論 問14を解説|蛍光をとらえる方式の組み立て(光源と受光は直角)
平成28年度 大気特論 問14は、紫外線を当てて返ってくる光をとらえる方式の二酸化硫黄計について、原理と器具の並べ方を確かめる正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
同じ紫外線を使う計測器でも、光がどれだけ減ったかを見る器械と、当てた結果あらためて出てきた光を見る器械では、部品の並べ方が正反対になります。減った量を見るなら、光は試料を突き抜けて受光側へ届かねばなりません。出てきた光を見るなら、当てた光そのものは受光側に届いてほしくありません。並んだ五つのうち四つは後者の性格を素直に述べています。仕掛けは、前者の並べ方をこちらに持ち込んだ一文です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 光を受け取ってエネルギーの高い状態へ持ち上げられ、戻るときに光を放つのがこの方式の出発点です。 |
| (2) | ○(正しい) | 放たれる光の強さと濃度は、実用の測定幅にわたって比例の関係を保ちます。 |
| (3) | ×(誤り) | 当てた紫外線がそのまま受光側へ飛び込む並びでは測れないため、一直線には置きません。これが正解です。 |
| (4) | ○(正しい) | 当てた光は遮り、放たれた光だけを通すはたらきのフィルターが、受光側の手前に入ります。 |
| (5) | ○(正しい) | 同じように光を放つ性質を持つ成分は、測る前の段階で洗い落としておきます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
当てる紫外線と、返ってくる光では、強さが桁違いです。返ってくる光は、当てた光のごく一部が姿を変えたものにすぎません。この弱い光を、強い光と同じ向きに置いた受光部で拾おうとすれば、当てた光に埋もれて濃度どころではなくなります。だから光源と受光部は互いに直角の向きに配置し、当てた光が受光部へ直進しないようにします。返ってくる光は特定の方向へだけ出るわけではなく周囲へ広がるので、横から拾っても十分に受け取れるのです。
この配置に、通す光を選ぶフィルターが加わって二段構えになります。角度でおおまかに締め出し、フィルターで波長の違いによって仕上げに締め出す、という役割分担です。どちらか一方だけでは、器壁で散った当てた光が漏れ込むのを防ぎきれません。器具が二重に用意されている理由まで押さえておくと、フィルターの記述と配置の記述をどちらも正しく判定できます。
対比として、光の減り方を見る器械を思い出すと違いがはっきりします。あちらは光源、試料を入れる容器、受光部が一列に並んでいなければ成立しません。見たいものが「通り抜けてきた当の光」なら一直線、「新たに生まれた光」なら直角という対応です。原理の名前を覚えるだけでなく、その名前が何を見ようとしているのかまで戻れば、配置は自分で導けます。
覚え方
- 減り方を見る器械は一直線、生まれた光を見る器械は直角。
- 直角にする理由は、当てた光を受光側へ入れないため。
- 角度で締め出し、フィルターで仕上げる二段構え。
- 光を放つ性質を持つ炭化水素は、測る前に取り除く。
- 配置を問われたら、その方式が何を見ているのかに立ち返る。
理解度チェック
光源と受光部を直角の向きに置くのはなぜか。
当てた紫外線が受光部へ直進するのを避けるためです。返ってくる光は当てた光よりはるかに弱いので、同じ向きに置くと埋もれてしまいます。
受光側の手前に置くフィルターの役目は何か。
当てた光を遮り、返ってきた光だけを通すことです。直角の配置と組み合わせ、二段構えで当てた光を締め出します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
- JIS B 7981「排ガス中の二酸化硫黄自動計測システム及び自動計測器」5.4.4(紫外線蛍光分析計の構成)
※ この記事の確認日:2026年7月