平成28年度 公害防止管理者 大気特論 問15を解説|反応そのものが光る方式の構成(要るのはオゾン発生器)
平成28年度 大気特論 問15は、化学反応が生む光をとらえて窒素酸化物を測る計測器について、原理と装置の中身を並べた正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この方式が拾う光は、外から照らして返してもらうものではなく、反応そのものが生み出すものです。ここを押さえていれば、装置の部品表に何が並ぶべきかは自ずと決まります。要らないのは光を当てる側の一式、要るのは反応の相手をその場でこしらえる装置です。並んだ五つのうち四つは原理と使いこなしを素直に述べており、他の方式の部品がひとつ紛れ込んでいるのを見抜けるかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 一酸化窒素とオゾンを出会わせたときに生じる発光を、そのまま濃度の目印に使います。 |
| (2) | ○(正しい) | わずかな量でも光として拾えるうえ、反応が速いので指示の追従も早い方式です。 |
| (3) | ×(誤り) | 光を当てる部品は不要で、そこに入るのは反応の相手をつくる装置です。これが正解です。 |
| (4) | ○(正しい) | 二酸化窒素は光らないため、一酸化窒素へ変える器具を前に置いてから合計として測ります。 |
| (5) | ○(正しい) | 二酸化炭素はエネルギーを横取りして発光を弱めるため、指示は低めに出ます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
規格が示す装置の中身は、流量を整える部分、反応が起きる槽、光を受け取る部分、そしてオゾンをこしらえる装置です。照らすための部品はどこにも現れません。理由は原理そのものにあります。一酸化窒素がオゾンと出会うとエネルギーの高い状態の二酸化窒素ができ、それが落ち着くときに光を放ちます。生まれた光を数えるのが仕事ですから、外から光を足す必要がないどころか、余計な光は雑音にしかなりません。
一方で、この方式には他の器械にない事情があります。反応の相手であるオゾンは、ためておくと自分から壊れてしまうので、買ってきて詰めておくわけにいきません。そこで装置は、空気または酸素を取り込んで放電させ、必要な量をその場でつくり続けます。これが部品表にオゾンをつくる装置が並ぶ理由です。光を当てる側の部品と入れ替えて出題されるのは、この対比が効いているからです。
あわせて押さえたいのが、測る対象の広げ方と、指示が狂う向きです。光るのは一酸化窒素と反応した分だけなので、二酸化窒素まで含めた合計として扱いたければ、手前で一酸化窒素へ揃えてから送り込みます。また、発光は分子どうしの衝突でエネルギーを奪われると弱まります。二酸化炭素はこの横取りをする側なので、共存すると実際より低い値が出ます。方式名から原理へ、原理から部品と誤差の向きへとたどる読み方を身につけると、計測器の問題はまとめて取れます。
覚え方
- 反応そのものが光る方式なので、照らすための部品は要らない。
- 代わりに要るのは、反応の相手をその場でつくる装置。
- ためておけない気体だから、装置の中でつくり続ける。
- 合計として測りたいときは、手前で一酸化窒素へ揃える器具を通す。
- 二酸化炭素はエネルギーを横取りするので、指示は低めに振れる。
理解度チェック
この方式の装置に、光を当てるための部品が入らないのはなぜか。
反応そのものが光を生む方式だからです。一酸化窒素とオゾンの反応でできたエネルギーの高い分子が落ち着くときの発光を数えるので、外から照らす必要がありません。
二酸化炭素が共存すると、指示はどちらへずれるか。
低いほうへずれます。衝突によってエネルギーを横取りし、発光を弱めてしまうためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
- JIS B 7982「排ガス中の窒素酸化物自動計測システム及び自動計測器」(化学発光方式の分析計の構成)
※ この記事の確認日:2026年7月