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平成28年度 公害防止管理者 大気特論 問13を解説|二酸化硫黄を連続で測る方式(紫外側の波長域)

平成28年度 大気特論 問13は、排ガス中の二酸化硫黄を止めずに測り続ける計測器について、方式ごとの原理と邪魔になる成分を並べた正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

光を使う計測器は、どの領域の光を当てるかで性格が変わります。赤外側を使う方式は分子の振動に、紫外側を使う方式は電子の遷移に対応するため、当てる光の長さは桁からして別物です。同時に、邪魔をする成分も領域ごとに顔ぶれが変わります。並んだ五つのうち四つは、この対応関係を素直に述べたものです。仕掛けられているのは紫外側で使う光の長さで、単位こそ紫外らしくても数値が領域からはみ出しています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)赤外側では、この分子が持つ振動の吸収帯のひとつをマイクロメートルの桁で使います。
(2)○(正しい)水分・二酸化炭素・炭化水素はいずれも赤外を吸うため、赤外側では邪魔になります。
(3)×(誤り)紫外側で使う光はもっと短く300前後で、示された値は可視に入るため吸収を拾えません。これが正解です。
(4)○(正しい)二酸化窒素も紫外側に吸収を持つため、濃く含まれていれば効いてきます。
(5)○(正しい)干渉を利用して光を解く方式は、多くの成分をまとめて、しかも高い感度で扱えます。

選択肢(3)のポイント(ここが誤り)

この分子が紫外側に持つ吸収は、およそ280〜320 nmの帯に現れます。日本語で言えば三百ナノメートルの前後、紫外線のなかでも比較的長いほうの領域です。示されている値はこれより百ナノメートル近く長く、紫と青の境目にあたる可視の領域に入ってしまいます。ここでこの分子は光をほとんど吸いませんから、そもそも濃度の変化を読み取れません。単位が紫外らしくナノメートルで書かれているぶん、数値まで確かめずに通してしまいやすい書き方になっています。

皮肉なことに、吸収がほとんどないという性質は、この付近を別の役目に使える理由にもなります。濃度に応じて減る光と、濃度によらず一定のままの光を比べれば、光源のゆらぎや窓の汚れといった共通の変動を打ち消せるからです。つまり四百ナノメートル付近は測るための波長ではなく、比べるための波長という位置づけになります。この役割の違いを知っていると、数値を見た瞬間に違和感を持てます。

方式ごとの整理も、この機会に固めておくと得です。赤外側を使うなら長さの単位はマイクロメートルで、邪魔者は水分・二酸化炭素・炭化水素。紫外側を使うなら単位はナノメートルで三百前後、邪魔者は二酸化窒素。単位が変われば桁も邪魔者も変わるという対応を一組で覚えれば、方式名と数値の組合せを問う出題にまとめて対応できます。

覚え方

  • 赤外はマイクロメートル、紫外はナノメートル。単位が違えば桁も邪魔者も違う
  • 紫外側の吸収帯は280〜320 nm。三百前後と覚える。
  • 四百ナノメートルはもう可視。測る側ではなく比べる側の波長。
  • 赤外側の邪魔者は水分・二酸化炭素・炭化水素。
  • 紫外側の邪魔者は二酸化窒素。

理解度チェック

Q.

紫外側で二酸化硫黄の濃度を読むとき、どのあたりの波長を使うか。

280〜320 nmあたりです。三百ナノメートル前後と覚えます。四百ナノメートルは可視の領域に入り、この分子はほとんど吸収しません。

Q.

赤外側と紫外側で、邪魔になる成分はそれぞれ何か。

赤外側は水分・二酸化炭素・炭化水素、紫外側は二酸化窒素です。どの領域の光を使うかで、干渉する相手が入れ替わります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF
  • JIS B 7981「排ガス中の二酸化硫黄自動計測システム及び自動計測器」(紫外線吸収分析計・干渉分光方式の構成)