平成28年度 公害防止管理者 大気特論 問12を解説|試料採取に使う材料の耐熱の順序(ゴムの序列に注意)
平成28年度 大気特論 問12は、排ガスの試料を吸い出す配管系の部品について、使える温度の上限が高い順に材料を並べた組合せを確かめる問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
部品ごとに使ってよい材料と、その温度の上限は、規格の一覧表にまとめられています。表の中身は大づかみに言えば単純で、ガラス質・セラミックス・金属といった無機の材料は数百度から千度の桁、樹脂やゴムといった有機の材料は数十度から二百度の桁に収まります。四つの選択肢はこの大枠だけで判定でき、実際そのとおり正しい並びです。判定が効かないのが、有機の材料どうしを比べる並びです。名前の耳なじみで序列を決めると外れる箇所が、ここに一つだけ置かれています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 規格ではセラミックスが1000℃、ステンレス鋼が800℃、四ふっ化エチレン樹脂が200℃で、示された並びどおりです。 |
| (2) | ○(正しい) | 規格ではシリカガラスが1000℃、チタンが800℃で、樹脂の200℃がいちばん下に来ます。 |
| (3) | ○(正しい) | 規格ではステンレス鋼が800℃、四ふっ化エチレン樹脂が200℃、硬質塩化ビニル樹脂が70℃です。 |
| (4) | ×(誤り) | ゴム3種の序列が違い、規格ではふっ素ゴムが180℃で先頭、シリコーンゴムは150℃で2番目です。これが正解です。 |
| (5) | ○(正しい) | 規格ではシリカウールが1000℃、ステンレス鋼が700℃、四ふっ化エチレン樹脂が200℃です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
この肢だけが、無機と有機の大枠が使えない土俵で勝負しています。三つとも同じゴムなので、どれが上かは覚えているかどうかで決まります。規格では、つなぎに使うゴムの上限はふっ素ゴム180℃、シリコーンゴム150℃、クロロプレーンゴム80℃です。示された並びは先頭の二つが入れ替わっているので、成り立ちません。
引っかかりやすいのは、シリコーンゴムこそ耐熱の代表格だという一般的なイメージのほうです。台所用品や電子部品まわりで高温に耐える素材として広く使われているため、順位の先頭に置きたくなります。ところがこの一覧表が示す序列はそうではありません。試験で問われているのはあくまで規格の表の値ですから、日常の感覚ではなく表の並びを取りに行く必要があります。
残りの四つは、無機か有機かで即断できます。セラミックスやシリカガラスは千度の桁、ステンレス鋼やチタンは八百度の桁、ろ過材に使うシリカウールも千度の桁で、ステンレス鋼の網は七百度の桁です。有機側では四ふっ化エチレン樹脂が二百度で、硬質塩化ビニル樹脂は七十度と、同じ樹脂でも大きく開きます。無機が上、有機が下、そして有機の中では四ふっ化エチレン樹脂が上位という三段構えを持っておけば、この種の並べ替えは短時間で片づきます。なお規格には、四ふっ化エチレン樹脂を短い時間だけ使う場合は260℃までという注記も添えられています。
覚え方
- ガラス質・セラミックス・金属は数百〜千度、樹脂・ゴムは数十〜二百度。無機が上、有機が下。
- つなぎのゴム3種はふっ素180>シリコーン150>クロロプレーン80(規格の値)。
- シリコーンゴムを先頭に置きたくなる感覚が、そのまま引っかけになる。
- 有機の中では四ふっ化エチレン樹脂が上位、硬質塩化ビニル樹脂は最下位。
- 並べ替えの肢は、まず無機と有機に仕分けてから細部を見る。
理解度チェック
つなぎに使うゴム3種を、使える温度の高い順に並べるとどうなるか。
規格ではふっ素ゴム(180℃)>シリコーンゴム(150℃)>クロロプレーンゴム(80℃)の順です。シリコーンゴムを先頭に置くのが、この問題の引っかけです。
四ふっ化エチレン樹脂と硬質塩化ビニル樹脂では、どちらが高い温度まで使えるか。
四ふっ化エチレン樹脂です。規格では200℃、硬質塩化ビニル樹脂は70℃で、同じ樹脂でも大きく開きます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
- JIS K 0095:1999「排ガス試料採取方法」表1(採取管、導管、接手管及びろ過材並びに試料ガス分岐管の材質と使用例)
※ この記事の確認日:2026年7月