平成28年度 公害防止管理者 大気特論 問6を解説|ガス流速で分かれる石炭の燃やし方(穴埋め)
平成28年度 大気特論 問6は、石炭を燃やす方式を炉の中を流れるガスの速さで並べた文章の空欄を埋める組合せ問題です。正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
空欄は5つありますが、実質的に決めるべきことは2つだけです。ひとつは、最も速い方式と最も遅い方式がどちらかということ。もうひとつは、2種類ある流動層のうちどちらが速いかということ。この2点が決まれば残りは自動的に埋まります。最後の空欄だけは速度と無関係で、流動層のボイラーを圧力で分ける区分を知っているかどうかが問われます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| (ア) | 微粉炭 | 石炭を細かい粉にして気流に乗せ、運びながら燃やす方式です。4つの中で速度は突出して大きく、二桁のm/sになります。 |
| (イ) | 固定層 | 石炭の層を炉床に置いたまま下から風を送ります。粒を動かさないので、速度は最も小さい範囲に収まります。 |
| (ウ) | 4〜8 | 粒子を炉の外まで吹き上げ、捕まえて戻す方式なので、粒を持ち運べるだけの速さが要ります。 |
| (エ) | 1〜2 | 粒子を炉内で泡立たせながら保つ方式です。飛び出させてはいけないので、速度は抑えめになります。 |
| (オ) | 加圧形 | 常圧形と対になるのは、炉内を大気圧より高くして運転する形式です。圧力を下げる形式は実用されていません。 |
ここが分かれ目
4つの方式を1本の速度の軸に並べられるかどうかが、この問題のすべてです。しかも順番を丸暗記する必要はありません。その方式が石炭の粒をどこまで運ぶかを思い出せば、必要な速さは自然に決まります。固定層は粒を動かさない、泡立たせる方式は炉の中で浮かせるだけ、循環させる方式は炉の外まで運んで戻す、粉にする方式は粉ごと気流に乗せて燃やしながら運ぶ。運ぶ距離が長い方式ほど、速いガスが要ります。この順に並べれば、遅いほうから固定層、泡立たせる流動層、循環させる流動層、粉にした石炭となります。
数値としては、固定層と泡立たせる流動層は1 m/s前後で近い位置にあり、範囲が一部重なるほどです。循環させる流動層はその数倍、粉にした石炭だけが二桁に飛びます。2種類の流動層を取り違えると、2つの空欄が同時に崩れるので、ここは確実に区別してください。粒を炉の外へ出す方式が速いほう、と結び付けるのが早道です。
もうひとつの分かれ目は最後の空欄です。流動層を使うボイラーでは、大気圧のまま運転する形式と、炉内を加圧して運転する形式があります。加圧すると同じ炉の大きさでより多くの石炭を処理でき、出てきた高圧の燃焼ガスをガスタービンに通す組合せも可能になります。圧力を下げて燃やす形式は使われていないので、その語を含む選択肢はその場で落とせます。この一手だけで候補は3つに絞れます。
覚え方
- ガスの速さは固定層<気泡流動層<循環流動層<微粉炭の順。粒をどこまで運ぶかの順番と同じ。
- 固定層と気泡流動層は1 m/s前後で近い。循環流動層はその数倍、微粉炭だけ二桁に飛ぶ。
- 粒を炉の外へ出して戻すのが循環流動層。炉内で泡立たせて留めるのが気泡流動層。
- 流動層ボイラーの圧力による区分は常圧形と加圧形の二択。減圧形という語が出たら誤り。
- 加圧形の利点は、同じ炉の大きさで処理量を増やせること。高圧ガスをガスタービンに使える。
理解度チェック
気泡流動層と循環流動層では、どちらのガスの速さが大きいか。
循環流動層です。粒子を炉の外まで運び出し、サイクロンで捕まえて炉へ戻すという流れをつくるため、粒を持ち運べるだけの速さが必要になります。気泡流動層は炉内に層を保つので、その数分の一で足ります。
流動層を使うボイラーで、常圧形と対になる区分は何か。
加圧形です。炉内を大気圧より高い圧力にして運転する形式で、同じ炉の大きさでも処理量を増やせるという利点があります。圧力を下げて燃やす形式はありません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月