平成30年度 公害防止管理者 大気概論 問6を解説|窒素酸化物(NOx)の生成・毒性と業種別排出量
平成30年度 大気概論 問6は、窒素酸化物(NOx)に関する正誤問題です。誤っている記述を選びます。
この問題のポイント
燃焼で生まれてから大気中で姿を変え、法律で規制され、業種ごとに排出量が集計される、というNOxの一連の姿を一問で確かめる出題です。前半は生成・変質・毒性・法令上の位置づけという教科書どおりの内容で、迷いどころは少なめです。分かれ目は最後に置かれた統計で、業種別のNOx排出量でどの業種が最も多いかを取り違えていないかどうかが判定を分けます。身近な工業のイメージに引きずられると、排出の主役を見誤ります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 高温の燃焼場で生じる窒素酸化物は、そのほとんどが一酸化窒素(NO)の形をとります。 |
| (2) | ○(正しい) | 排出されたNOは、大気中でオゾンなどと反応して酸化され、二酸化窒素(NO2)に変わります。 |
| (3) | ○(正しい) | 健康影響を主に担うのはNO2であり、環境基準もNO2を対象に定められています。 |
| (4) | ○(正しい) | 窒素酸化物は、カドミウム・鉛・ふっ素化合物などと並ぶ大気汚染防止法の有害物質の一つです。 |
| (5) | ×(誤り) | 業種別のNOx排出量が最も多いのは電気業であり、窯業・土石製品製造業を最多とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
業種別のNOx排出量を見たとき、最も多いのは発電所を抱える電気業です。この肢は窯業・土石製品製造業を最多として並べている点が誤りで、排出の主役が入れ替えられています。
NOxは燃料や空気中の窒素が高温の燃焼場で酸化されて生じるため、大容量のボイラーを長時間動かし続ける設備ほど排出量がかさみます。電気業は、まさにその条件をそろえた大型燃焼設備を全国規模で稼働させている業種です。窯業・土石製品製造業も焼成炉やキルンという高温設備を持つ代表的な排出業種ですが、電気業を上回る位置に置いてしまうと事実と食い違います。
この種の統計問題では、工場の煙突の印象だけで順番を決めてしまうのが落とし穴です。「燃料をどれだけ燃やしているか」という物量の観点に立ち返れば、発電が上位に来ることは無理なく納得できます。
覚え方
- 燃焼で出るのはまずNO、大気中で酸化されてNO2。生成の順番と毒性の主役をセットで記憶。
- 環境基準が定められているのはNO2であって、NOやNOx全体ではない。
- 大気汚染防止法の有害物質は5グループ=カドミウム/塩素・塩化水素/ふっ素・ふっ化水素・ふっ化けい素/鉛/窒素酸化物。
- NOxの排出量は燃やす量に比例する。業種別で最も多いのは電気業。
理解度チェック
燃焼で発生した直後の窒素酸化物は主にどの形で、その後どう変化するか。
高温燃焼の場では大部分が一酸化窒素(NO)として生成し、大気中に出た後にオゾンなどと反応して二酸化窒素(NO2)へ酸化されます。毒性の主原因も環境基準の対象もNO2です。
業種別のNOx排出量が最も多い業種は。
電気業です。発電用の大型ボイラーで大量の燃料を継続的に燃焼させるため、業種別で最上位になります。窯業・土石製品製造業も高温炉を持つ主要な排出業種ですが、最多ではありません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF)
- 大気汚染防止法/大気汚染防止法施行令
- 環境省「大気汚染物質排出量総合調査」
※ この記事の確認日:2026年7月