平成30年度 公害防止管理者 大気概論 問5を解説|大気汚染の状況(SPMの達成率はきわめて高い)
平成30年度 大気概論 問5は、大気汚染の状況に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、物質ごとの環境基準達成率が高い水準か低い水準かという位置づけを押さえているかを問うものです。引っかけの核心は浮遊粒子状物質(SPM)の水準感で、すでにほぼ達成された項目を、まだ達成が進んでいない項目と同じ扱いに書き換えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | SPMの環境基準達成率は一般局・自排局ともにきわめて高く、ほぼ達成された状態です。示された水準は低すぎます。 |
| (2) | ○(正しい) | PM2.5の環境基準は年平均値15 µg/m3以下かつ1日平均値35 µg/m3以下です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | PM2.5の達成率は当時まだ低く、自排局が一般局を下回っていました。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 二酸化硫黄は一般局・自排局ともほとんどすべての測定局で達成しています。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 有害大気汚染物質のベンゼンは対策が進み、環境基準を超過する測定地点が見られない状況です。正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
SPMは、自動車排出ガス対策や工場のばいじん対策が進んだ結果、一般局・自排局のどちらでもほぼすべての測定局で環境基準を達成している項目です。選択肢(1)はその達成率を、まだ達成が進んでいない項目と同程度の低い水準に引き下げている点が誤りです。一般局と自排局でほぼ等しいという部分は事実に沿っており、誤りは水準の側にあります。
この形式の問題は、細かい数字を覚えていなくても「ほぼ達成済みの項目」と「まだ達成が進んでいない項目」を取り違えていないかで判断できます。二酸化硫黄・一酸化炭素・SPMはほぼ達成済み、PM2.5は当時まだ改善途上(自排局のほうが低い)、光化学オキシダントは達成率がきわめて低い、という並びを頭に入れておけば、水準を入れ替えた記述はすぐ見つかります。なお短期的な高濃度現象の影響で年ごとの上下はありますが、大きな位置づけは変わりません。
覚え方
- 達成率は3段階で覚える。SO2・CO・SPM=ほぼ達成/PM2.5=改善途上/光化学オキシダント=きわめて低い。
- PM2.5の環境基準は年平均値15 µg/m3以下かつ1日平均値35 µg/m3以下。年平均と日平均の両方を満たす必要がある。
- 粒子状物質は、一般局より自排局のほうが達成率が低くなりやすい。沿道は発生源に近いため。
- 統計問題は数字の暗記より水準の順番。「高い項目を低く」「低い項目を高く」書き換える誤りが定番。
理解度チェック
浮遊粒子状物質(SPM)の環境基準達成率は、どの程度の水準か。
一般局・自排局ともにきわめて高く、ほぼ達成された状態です。達成が進んでいない項目と同列に扱う記述は誤りです。
PM2.5の環境基準は?
年平均値15 µg/m3以下、かつ1日平均値35 µg/m3以下です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF)
- 環境省「平成27年度 大気汚染状況について」(環境基準達成状況)
※ この記事の確認日:2026年7月