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平成29年度 公害防止管理者 大気概論 問9を解説|施設と特徴的な物質(塗装と洗浄の溶剤を混同しない)

平成29年度 大気概論 問9は、どの設備からどんな物質が出やすいかという結び付きを問う正誤問題です。誤っている組合せを選びます。

この問題のポイント

この問題は、施設で行われている作業の中身から、そこで多く使われる物質を推し量れるかを問う組合せ問題です。引っかけの核心は、目的の違う工程に同じ溶剤を当てはめている点にあり、塗る作業と汚れを落とす作業では使う薬剤の系統が異なります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている組合せ)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)テトラクロロエチレンは洗浄・ドライクリーニング系の溶剤で、塗装に特徴的な物質ではありません。
(2)○(正しい)塩素を含むごみを燃やす過程で非意図的に生成するため、焼却炉と結び付く代表物質です。
(3)○(正しい)ドライクリーニングでは石油系の溶剤も広く使われており、施設と物質の対応は妥当です。
(4)○(正しい)石炭を高温で乾留する工程から芳香族化合物が出るため、コークス炉と結び付きます。
(5)○(正しい)インキの希釈や洗浄にアルコール類が使われるため、印刷の現場から揮発します。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

塗装の現場で大量に揮発するのは、塗料を溶かし薄めるためのシンナー成分です。芳香族炭化水素や酢酸エステル、ケトン類などが中心で、揮発性有機化合物の排出量でも塗装は大きな位置を占めます。これに対してテトラクロロエチレンは、油汚れを落とす力に優れた塩素系溶剤で、金属部品の脱脂洗浄や衣類のドライクリーニングに使われてきた物質です。

選択肢(1)は、洗浄で使う塩素系溶剤を塗装の代表物質として結び付けている点が誤りです。工程の目的が違えば必要な性質も違い、塗装では塗料をきれいに溶かして乾けば飛ぶことが求められ、洗浄では油を溶かし、かつ燃えにくいことが求められます。塗るのか、落とすのかという一点を見れば、溶剤の系統は取り違えません。

ほかの組合せも、工程を思い浮かべれば説明がつきます。ごみ焼却は塩素と有機物と熱がそろう場でダイオキシン類が非意図的に生まれ、コークス炉は石炭を蒸し焼きにする過程で芳香族化合物を出し、印刷はインキの希釈や版の洗浄でアルコール類を使います。設備の名前ではなく、そこで起きている化学反応や作業を手がかりにするのが、この形式の解き方です。

覚え方

  • 溶剤は用途で分ける。塗装はシンナー系、洗浄・ドライクリーニングは塩素系
  • 塩素系溶剤の名前が塗装の欄にあったら、まず誤りを疑う。
  • ダイオキシン類は狙って作る物質ではなく、燃やす過程で生まれる副産物。
  • コークス炉は石炭の蒸し焼き。芳香族が出るのは原料の構造から素直に説明できる。

理解度チェック

Q.

テトラクロロエチレンは、主にどのような工程で使われてきたか。

金属部品の脱脂洗浄や衣類のドライクリーニングです。塗装で特徴的に使われる溶剤ではありません。

Q.

ごみ焼却炉でダイオキシン類が生じるのはなぜか。

塩素を含む物と有機物が高温にさらされる場で、非意図的に生成するためです。原料として投入されるわけではありません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF
  • 大気汚染防止の技術と法規(大気概論 発生源と大気汚染物質)