平成28年度 公害防止管理者 大気概論 問9を解説|植物への大気汚染の影響(毒性の強さの序列)
平成28年度 大気概論 問9は、汚染物質ごとの毒性の強さと、葉に現れる傷み方の対応を問う正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、物質と症状の組合せだけでなく、毒性の位置づけまで正しく覚えているかを問う正誤問題です。分かれ目は毒性の段階で、症状の書きぶりは合っているのに強さの分類だけがずらしてある記述が混ぜられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 葉の傷み方の書きぶりは合っていますが、毒性の位置づけは中程度であり、強い側には並びません。 |
| (2) | ○(正しい) | 毒性は強い側。葉の表面に細かい点状の傷みが出て、色が抜けたり色素がたまったりします。 |
| (3) | ○(正しい) | 毒性は強い側。葉の裏側が金属のような光沢を帯びるという、この物質だけの目印があります。 |
| (4) | ○(正しい) | 毒性は強い側。葉の先やふちから枯れ込み、緑が抜け、やがて葉が落ちます。 |
| (5) | ○(正しい) | 毒性は中程度。葉脈と葉脈の間に、決まった形をとらない白っぽい斑や褐色の斑が出ます。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
二酸化硫黄は、植物への効き方でいえば中程度に位置づけられる物質です。強い側に並ぶのは、オゾン・PAN・ふっ化水素の3つ。この選択肢は、葉の傷み方の説明はそのままに、毒性の段階だけを一段上げたつくりになっています。
二酸化硫黄が強い印象を持たれるのは、かつて工場の煙から大量に出ていて、実際に樹木の枯損など目に見える被害を各地で起こしたからです。しかしそれは濃度が高かったことによる被害であって、同じ濃度で比べたときの効き方が強いという意味ではありません。この違いを押さえておくと、毒性の段階を問う出題で迷わなくなります。
症状の側で見分けるなら、葉の裏が金属のように光るのはPANだけ、葉の先とふちから枯れ込むのはふっ化水素という2つが決定的な目印です。二酸化窒素と二酸化硫黄はどちらも中程度で、葉脈の間に斑が出るという似た症状なので、この2つはまとめて覚えて構いません。
覚え方
- 毒性が強い側はオゾン・PAN・ふっ化水素。二酸化硫黄と二酸化窒素は中程度。
- 葉の裏の金属光沢はPANだけの目印。他の物質には現れない。
- ふっ化水素は端から傷む。葉の先とふちが枯れ込むのが特徴。
- オゾンは葉の表に細かい点。二酸化硫黄と二酸化窒素は葉脈の間に斑。
理解度チェック
植物への毒性が強い側に分類される物質を3つ挙げよ。
オゾン・PAN・ふっ化水素です。二酸化硫黄と二酸化窒素は中程度に位置づけられます。
葉の裏側が金属のような光沢を帯びるのは、どの物質による被害か。
PANです。他の物質には現れない特徴なので、症状から物質を一発で特定できます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月