1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 大気概論
  4. 平成28年
  5. > 問8 硫黄酸化物(SOx)

平成28年度 公害防止管理者 大気概論 問8を解説|硫黄酸化物(SO3の割合と硫酸ミスト)

平成28年度 大気概論 問8は、硫黄酸化物の生成・性質・排出の実態を扱う正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、燃料の硫黄分が燃えて何になるか、そのうち三酸化硫黄がどれくらいを占めるかを確認する正誤問題です。分かれ目は三酸化硫黄の割合の見積もりで、影響の大きさにつられて量まで多く見積もらせるのが引っかけです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)燃料に含まれる硫黄分が燃えて二酸化硫黄になり、その一部がさらに酸素と結び付いて三酸化硫黄になります。
(2)×(誤り)三酸化硫黄が占める割合はごくわずかで、1割に届くほどの大きさではありません。
(3)○(正しい)三酸化硫黄は水と結び付いて硫酸のこまかい粒になります。白い煙や配管の腐食の原因です。
(4)○(正しい)脱硫と低硫黄燃料への転換で硫黄側が大きく減り、いまは窒素酸化物のほうが多い状況です。
(5)○(正しい)燃料を大量に燃やす設備が排出の中心で、ボイラーがその代表です。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

燃焼で生まれる硫黄酸化物は、その大部分が二酸化硫黄で、三酸化硫黄はごく一部にとどまります。1割ほどを占めるという見積もりは大きすぎます。硫黄が酸素と結び付いて二酸化硫黄になるところまではほぼ完全に進みますが、そこからさらに酸素をもう1つ取り込む反応は起こりにくく、炉内の酸素の余り具合や触媒のように働く灰の成分に左右されて、わずかな量しかできません。

ただし、量が少ないことと厄介でないことは別です。三酸化硫黄は排ガス中の水分と結び付いて硫酸のこまかい粒になり、露点を押し上げます。すると、まだ十分に熱いはずの部分でも結露が起き、金属が酸で侵される低温腐食が起こります。わずかな量でも設備を傷め、白い煙として目にも見えるという点が、三酸化硫黄を無視できない理由です。量の小ささと影響の大きさを切り離して覚えておくと、この種の引っかけに強くなります。

覚え方

  • 燃焼で生じる硫黄酸化物はほとんどが二酸化硫黄、三酸化硫黄はごく一部。1割には届かない。
  • 三酸化硫黄は水と結び付いて硫酸のこまかい粒に。露点が上がり低温腐食を招く。
  • 固定発生源からの排出は、いまは硫黄酸化物より窒素酸化物のほうが多い。
  • 硫黄酸化物の出どころの中心はボイラー。燃料の硫黄分がそのまま効く。

理解度チェック

Q.

燃焼で生じる硫黄酸化物のうち、三酸化硫黄はどれくらいを占めるか。

ごく一部です。大部分は二酸化硫黄で、三酸化硫黄が1割に達するような割合にはなりません。

Q.

三酸化硫黄が少量でも問題になるのはなぜか。

水分と結び付いて硫酸のこまかい粒になり、露点を押し上げて低温腐食を起こすためです。白い煙の原因にもなります。

平成28年度 公害防止管理者 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF
  • 環境省「大気汚染物質排出量総合調査」(固定発生源からの硫黄酸化物・窒素酸化物の排出)