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平成28年度 公害防止管理者 大気概論 問5を解説|環境基準の達成状況(SPMとPM2.5の取り違え)

平成28年度 大気概論 問5は、大気の環境基準がどこまで達成されているかを物質ごとに比べる正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、物質によって達成の進み具合がまるで違うという事実を押さえているかを問う正誤問題です。分かれ目は粒子状の項目で、名前のよく似た2つの項目のうち、達成が進んでいない側の状況を、進んでいる側にあてはめて出されています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)硫黄分の少ない燃料への転換と排煙脱硫が進み、ほぼすべての測定局で達成できる状況になっています。
(2)○(正しい)こちらも大部分の測定局で達成されています。道路沿いの局のほうがわずかに厳しい、という傾向どおりの並びです。
(3)○(正しい)自動車の排出対策が効き、すべての測定局で達成という状態が続いている項目です。
(4)○(正しい)達成できる局がごくわずかで、道路沿いの局では達成なし。長年ほとんど改善していない項目です。
(5)×(誤り)この項目もほぼすべての局で達成できる水準にあります。低い達成状況は、より細かい粒子を対象とする別項目のものです。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

粒子状の汚れには、粒の大きさで区切った2つの項目があります。粗い側まで含めて捉える浮遊粒子状物質(SPM)と、より細かい粒だけを対象とする微小粒子状物質(PM2.5)です。達成が大きく遅れているのはPM2.5のほうで、SPMではありません。選択肢(5)は、遅れている側の状況を進んでいる側にすり替えたものです。

SPMは早い時期から規制の対象となり、工場のばいじん対策とディーゼル車の規制が積み重なって、いまではほぼ全域で達成できる水準まで下がりました。一方PM2.5は、環境基準が置かれたのが後で、しかも大気中で気体から二次的にできる分が多く、発生源をひとつ止めれば減るという性質ではありません。国境を越えて運ばれてくる分もあるため、達成率が伸びるまでに時間がかかりました。似た名前でも、対策の効き方がまったく違う項目だと理解しておくと迷いません。

覚え方

  • 達成が進まない項目は光化学オキシダントと微小粒子状物質。他は高い水準。
  • 浮遊粒子状物質は達成できている側。低い達成状況を当てはめたら誤り。
  • 道路沿いの測定局は一般の測定局より条件が厳しく、達成の割合は下回りやすい。
  • 粒径は10 µm以下がSPM、2.5 µm以下がPM2.5。名前と大きさをセットで。

理解度チェック

Q.

大気の環境基準のうち、達成が長年進んでいない項目はどれか。

光化学オキシダントです。達成できる測定局はごくわずかで、道路沿いの局では達成がない状態が続いています。

Q.

浮遊粒子状物質と微小粒子状物質で、達成が遅れているのはどちらか。

微小粒子状物質(PM2.5)です。二次的にできる分や運ばれてくる分が多く、対策が効きにくい項目だからです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF
  • 環境省「大気汚染状況について(大気汚染物質に係る環境基準の達成状況)」