1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 大気概論
  4. 平成28年
  5. > 問3 大気汚染防止法の特定物質

平成28年度 公害防止管理者 大気概論 問3を解説|大気汚染防止法の特定物質(トルエンは対象外)

平成28年度 大気概論 問3は、大気汚染防止法の特定物質にあてはまらない物質を選ぶ問題です。該当しないものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、事故時の措置と結び付いた物質群の顔ぶれを覚えているかを問う問題です。分かれ目は有機溶剤として名の知れた2物質の扱いで、片方は列挙されているのにもう片方は入っていない、という差を押さえられているかが問われます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(特定物質にあてはまらない)

各選択肢の正誤

選択肢特定物質か解説
(1)○(該当)刺激性が強く、樹脂や接着剤の製造で漏えいのおそれがあるため列挙されています。
(2)○(該当)中毒を起こす代表的なアルコールで、政令の一覧に名前があります。
(3)○(該当)目や気道を強く刺激するアルデヒドで、こちらも一覧に含まれます。
(4)○(該当)芳香族のうちこの物質は列挙されています。ここが引っかけの半分です。
(5)×(該当しない)政令の一覧に名前がなく、これが答えです。よく使われる溶剤ですが、この枠には入りません。

選択肢(5)のポイント(ここが該当しない)

特定物質は、ものが燃えたり化学反応が起きたりするのに伴って発生する物質のうち、施設の故障や破損で漏れ出したときに人の健康や生活環境に被害を及ぼすおそれがあるものとして、政令に名前が並べられた一群です。事故が起きたときの応急措置と届出の義務は、この一覧に載っている物質かどうかで決まります。

引っかけの作りは単純で、芳香族の溶剤をひとまとめに覚えていると外すようにできています。ベンゼンは一覧にありますが、トルエンはありません。トルエンの名前が出てくるのは、揮発性有機化合物として排出を抑える側の話や、排出量の届出制度の側です。同じ「よく使う溶剤」でも、どの制度の対象かは物質ごとに違うので、制度と物質をセットで結び付けて覚えるのが確実です。

一覧全体を眺めると、アンモニア・塩素・塩化水素・一酸化炭素・硫化水素のように、漏れた瞬間に周囲へ急性の被害を与える気体が多く並びます。長い時間をかけて健康に影響する物質を管理する枠組みとは、ねらいがそもそも違うと理解しておくと迷いません。

覚え方

  • 特定物質は事故が起きたときの応急措置とセットの物質群。急性の被害が判断軸。
  • ベンゼンは入るがトルエンは入らない。芳香族でひとくくりにしない。
  • 一覧は刺激性・毒性の強い気体が中心。アンモニア、塩素、塩化水素、硫化水素など。
  • トルエンを見たら揮発性有機化合物の規制や排出量の届出制度を思い出す。

理解度チェック

Q.

特定物質という区分は、どんな場面で効いてくるか。

施設の故障や破損で物質が漏れた事故のときです。応急措置をとり、都道府県知事へ届け出る義務に結び付いています。

Q.

ベンゼンとトルエンで、特定物質にあたるのはどちらか。

ベンゼンです。トルエンは列挙されていません。名前が似ていても扱いが違います。

平成28年度 公害防止管理者 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF
  • 大気汚染防止法施行令 第10条(特定物質)/e-Gov法令検索