平成28年度 公害防止管理者 大気概論 問2を解説|ばい煙の排出基準の決まり方(何ごとに許容限度を定めるか)
平成28年度 大気概論 問2は、ばい煙の区分ごとに排出基準がどう組み立てられているかを問う正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、いおう酸化物・ばいじん・有害物質・特定有害物質という4つの区分で、許容限度を何ごとに刻むかを確認する正誤問題です。分かれ目は「種類」と「規模」という2語の割り当てで、どちらの区分にどちらが付くかを入れ替えて出されています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 基準そのものを書き下ろすのは環境省令の役目で、条文どおりの記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | いおう酸化物だけは地域を区切り、煙突の高さで効き方を変える形です。いわゆるK値規制がこれにあたります。 |
| (3) | ○(正しい) | ばいじんは、どんな施設かに加えて大きさでも刻みます。「規模」が付くのはこの区分です。 |
| (4) | ○(正しい) | 燃焼に伴って出るものとして環境大臣が指定した物質は、物質ごとに煙突の高さで効き方を変えます。 |
| (5) | ×(誤り) | こちらは物質の種類と施設の種類で刻む区分であり、施設の大きさで刻む形ではありません。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
特定有害物質を除いた有害物質の排出基準は、物質の種類と施設の種類の2つを掛け合わせて許容限度を定めます。選択肢(5)は後半を施設の大きさに差し替えており、ばいじんの側に付くはずの「規模」を有害物質の側へ移した点が誤りです。
刻み方の違いには理由があります。ばいじんは、同じ形式の炉でも大きければそれだけ多く出るため、大きさで段を付けないと規制の厳しさが揃いません。これに対して有害物質は、物質そのものの毒性と、どんな工程から出てくるかで対策の中身が決まるため、大きさより「何の物質か」「どんな施設か」が効く組み立てになっています。いおう酸化物だけが地域と煙突の高さで刻まれるのは、広い範囲に薄く広がる汚染を、地域全体として抑える発想だからです。
覚え方
- いおう酸化物だけ地域の区分×煙突の高さ。地域という語が出るのはここだけ。
- 「規模」が付くのはばいじん。有害物質に「規模」が付いていたら誤りを疑う。
- 特定有害物質は燃焼由来。環境大臣が指定し、煙突の高さで効かせる。
- 基準の中身は環境省令、地域の区切りは政令。書き分ける主体をセットで覚える。
理解度チェック
許容限度を施設の大きさでも刻むのは、どの区分か。
ばいじんです。施設の種類に加えて大きさでも段を付けます。有害物質は物質の種類と施設の種類で刻みます。
地域を区切ったうえで煙突の高さに応じて定めるのは、どの区分か。
いおう酸化物です。高い煙突ほど地表への影響が薄まることを織り込んだ刻み方になっています。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 大気概論 問題」(公式PDF)
- 大気汚染防止法 第3条(排出基準)/e-Gov法令検索
※ この記事の確認日:2026年7月