平成30年度 公害防止管理者 水質概論 問4を解説|公害防止組織法の汚水等排出施設
平成30年度 水質概論 問4は、公害防止の体制づくりを求める法律が、汚れた水を出す設備として名指ししている施設に関する正誤問題です。該当しないものを選びます。
この問題のポイント
公害防止管理者の選任を義務づける法律は、日本中のあらゆる事業所を相手にしているわけではありません。まず業種で網をかけ、その網に入った事業所が持つ設備のうち決められたものを対象施設として並べる、という二段構えになっています。問われているのは、並べられた五つの設備がこの枠に収まるかどうかです。引っかけの核心は、設備の名前だけを見比べさせる点にあります。まったく同じ名前の設備が二つ登場し、片方は対象、片方は対象外です。分けているのは設備の性能でも規模でもなく、それを使っている事業所の業種です。設備名で判断しようとすると、この二つを同じ扱いにしてしまいます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(汚水等排出施設に該当しないもの)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 該当か | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(該当する) | 畜産食料品の製造は製造業そのもので、湯煮施設は対象施設として並んでいます。該当します。 |
| (2) | ○(該当する) | 新聞業の自動式フィルム現像洗浄施設は、対象施設として名指しされています。該当します。 |
| (3) | ○(該当する) | 米菓の製造も製造業にあたり、とぎ汁を出す洗米機は対象施設です。該当します。 |
| (4) | ×(該当しない) | 同じ現像洗浄施設でも、写真現像業は対象となる業種に入らないため該当しません。 |
| (5) | ○(該当する) | 電気めっき施設は業種を限らずに並べられている対象施設です。該当します。 |
選択肢(4)のポイント(ここが答え)
この法律が体制の整備を求める相手は、製造業(物品の加工業を含む)・電気供給業・ガス供給業・熱供給業の四つの業種を営む工場に限られています。ものを作る現場と、電気・ガス・熱を供給する現場です。写真の現像を請け負う仕事は、客から預かったフィルムを処理して返すサービスであって、この四つのどれにも入りません。したがって、そこにどれだけ立派な現像洗浄施設があっても、対象となる工場に置かれた施設ではないため、汚水等排出施設として扱われません。
一方の新聞業は、対象施設の一覧の中に業種名を添えて載っています。設備が同じでも、どの業種の工場に置かれているかで扱いが変わる。この点をはっきり意識できるかどうかが分かれ目です。設備の名前が一致しているから同じ結論になるはず、という読み方をすると必ず取り違えます。読む順序としては、まず業種を見て網の内側か外側かを決め、それから設備名を照らし合わせる、という向きが安全です。
残りの三つは、この順序どおりに追えば素直に片づきます。畜産食料品製造業も米菓製造業も名前のとおり製造業ですから網の内側で、湯煮施設と洗米機はいずれも対象施設に並んでいます。電気めっき施設は業種を限定せずに置かれているため、対象業種の工場にあれば該当します。結局のところ、五つのうち業種の段階でふるい落とされるのは写真現像業だけです。
覚え方
- 対象業種は製造業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業の4つだけ。サービス業は入らない。
- 判断は業種が先、設備名は後。順序を逆にすると同名の施設で必ず転ぶ。
- 自動式フィルム現像洗浄施設は新聞業なら該当、写真現像業なら該当しない。
- 「〜業の用に供する」と業種が添えられている施設は、その業種でだけ対象になる合図。
- 電気めっき施設のように業種の限定が付かない施設は、対象業種の工場にあれば該当。
理解度チェック
同じ自動式フィルム現像洗浄施設なのに、新聞業と写真現像業で扱いが分かれるのはなぜか。
この法律が相手にする業種が限られているからです。写真現像業は製造業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業のどれにも当たらないため、設備が同じでも対象になりません。
汚水等排出施設かどうかを判断するとき、最初に確かめるべきことは何か。
その施設を持つ事業所の業種です。対象4業種の網に入って初めて、設備名が対象施設の一覧にあるかどうかを見る意味が出てきます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 水質概論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月