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平成29年度 公害防止管理者 水質概論 問5を解説|ふっ素・ほう素の超過は自然由来が主

平成29年度 水質概論 問5は、環境省が毎年まとめている公共用水域の水質測定結果の読み方について、誤っている記述を選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、達成状況の数字そのものより、基準を超えた項目について原因をどう説明するかを問うています。引っかけの核心は、超過が見つかるとすぐ工場排水のせいだと決めつける発想で、水に元から含まれている成分の存在が抜け落ちています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)人の健康の保護に関する項目は、ほぼすべての地点で基準を満たしています。達成率が高止まりしているのは毎年の傾向です。
(2)×(誤り)この二つの超過は海水の影響や地質などの自然的原因によるものが主です。工場排水が主因という説明は当たりません。
(3)○(正しい)超過が見られるのは、地質や海水の影響でも濃度が上がりうる無機の項目が中心で、挙げられた顔ぶれは実際の報告と合います。
(4)○(正しい)水生生物の保全のために設けられた項目で、湖沼では超過が確認されていません。
(5)○(正しい)要監視項目は基準ではなく指針値で見る枠で、指針値を上回った地点がある項目は毎年いくつか報告されます。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

ふっ素とほう素は、他の健康項目と成り立ちが違います。もともと海水に多く含まれている成分で、火山地帯の地下水や温泉水にも高い濃度で入っています。河口や沿岸で採った水、あるいは温泉が流れ込む河川の水を測れば、人の活動と関係なく高い値が出ることがあります。超過を見つけたときに原因を産業排水だと決めつけると、排水規制をどれだけ強めても下がらない超過を、いつまでも説明できないことになります。

制度の側もこの性質を織り込んでいます。排水基準では、この二つについて海域へ排出する場合と海域以外へ排出する場合とで許容限度が分けられており、海域向けは緩く設定されています。海に元から溶けている量より厳しい値を海に向けて課しても意味がないからです。自然由来という但し書きを、規制が甘いことの言い訳と読み違えないようにしたいところです。自然的原因による超過は、対策の要否を判断するときに別扱いにするための整理であって、監視をやめてよいという話ではありません。

覚え方

  • ふっ素・ほう素の超過は自然由来(海水・地質・温泉)が主。産業排水由来と書いてあったら疑う。
  • 健康項目はほぼ全地点で達成、生活環境項目は水域で差が出る。低いのは湖沼、次いで海域。
  • 要監視項目は基準ではなく指針値。上回っても「環境基準の超過」とは呼ばない。
  • 統計の問題は数字を暗記しない。どちらが高いか・原因はどちら側かという向きで解く。

理解度チェック

Q.

ふっ素やほう素が環境基準を超えるのは、主にどのような原因によりますか。

海水の影響や地質、温泉水など自然的な原因によるものが主です。両者はもともと海水に多く含まれる成分で、産業排水だけが原因ではありません。

Q.

要監視項目は、環境基準の項目とどこが違いますか。

基準値ではなく指針値が置かれ、知見の集積を図りながら監視していく位置づけです。指針値を上回った地点があっても、環境基準の超過とは扱いません。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 水質概論 問題」(公式PDF
  • 環境省「公共用水域水質測定結果」
  • 排水基準を定める省令(別表第2)