平成29年度 公害防止管理者 水質概論 問4を解説|砂利採取業の水洗式分別施設は汚水等排出施設に入らない
平成29年度 水質概論 問4は、公害防止組織法がいう汚水等排出施設について、五つ挙げられた施設のうちあてはまらないものを選ぶ問題です。
この問題のポイント
この問題は、公害防止管理者を選ばなければならない工場の入口となる施設の範囲を、水質汚濁防止法の特定施設とどこまで重なるかという目で見られているかを問うています。分かれ目は、水を使って洗い分ける似た顔ぶれのうち、業種の違いだけで扱いが変わるものがある点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(あてはまらない施設)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 該当 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(該当する) | 食料品をつくる工程の洗い場は、有機物を多く含む排水を出す代表格で、取り込まれている側です。 |
| (2) | ○(該当する) | 煮る工程から出る煮汁も濃い有機性排水になります。食料品系はまとめて取り込まれています。 |
| (3) | ○(該当する) | 重金属やシアンなど有害物質を扱う工程の代表で、外れる余地がありません。 |
| (4) | ○(該当する) | セメントを扱う設備の洗浄水は強いアルカリ性になります。これも取り込まれている側です。 |
| (5) | ×(該当しない) | 水質汚濁防止法の特定施設ではあるものの、公害防止組織法が取り込む番号からは外されています。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
この問題を難しくしているのは、二つの法律が別々のリストを持っている点です。水質汚濁防止法は特定施設を業種と工程ごとに番号を振って並べており、公害防止組織法の政令はそのうちのどの番号を取り込むかを列挙する方式で汚水等排出施設を決めています。つまり、特定施設に当たるからといって自動的に汚水等排出施設になるわけではありません。
砂利採取業の水洗式分別施設が置かれている番号は、この取り込みの列挙から抜けています。そのため、その施設しか持たない事業場では公害防止管理者の選任義務が生じません。紛らわしいのは砕石業の水洗式分別施設で、こちらは取り込まれている側です。同じ「水で洗って分ける」設備でも、砂利を採るのか石を砕くのかで結論が入れ替わるところが、この問題の狙いです。
残りの四つは、食料品系・めっき系・生コン系のいずれも取り込まれています。有機性排水か、有害物質を含む排水か、強いアルカリ性排水かという中身の違いはあっても、工場の水質管理が必要だという点で共通していると見ておけば、迷いにくくなります。
覚え方
- 汚水等排出施設は特定施設の一部を番号で選んで取り込んだもの。両者の範囲は一致しない。
- 外れる代表が砂利採取業の水洗式分別施設。同じ設備でも砕石業のものは入る。
- 食料品・めっき・生コンは入ると覚える。判断に迷う出題では砂利だけが例外として狙われる。
- 公害防止管理者の選任義務は、汚水等排出施設を持ち排出水を出す工場から始まる。特定施設の有無だけで判断しない。
理解度チェック
水質汚濁防止法の特定施設に当たれば、公害防止組織法の汚水等排出施設にも当たりますか。
当たるとは限りません。公害防止組織法の政令は、特定施設の一覧から取り込む番号を列挙する方式を採っており、列挙から外れた施設は汚水等排出施設になりません。
砂利採取業と砕石業の水洗式分別施設で、扱いはどう違いますか。
砕石業のものは汚水等排出施設に含まれ、砂利採取業のものは含まれません。設備の名前が同じでも、業種で結論が変わる典型例です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 水質概論 問題」(公式PDF)
- 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令(第3条)
- 水質汚濁防止法施行令(別表第1)
※ この記事の確認日:2026年7月