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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問30を解説|検定用は鉛直方向が主役

平成30年度 騒音・振動特論 問30は、取引や証明の場面で使う計測器に課された規格の中身を問う正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

並んでいるのは、測れる周波数の範囲、応答の速さ、レベルの基準となる量、重み付けの向き、検定の許容差といった器の仕様です。数値はどれも見覚えのあるものが並ぶので、暗記の勝負に見えます。しかし本当の分かれ目は数値ではなく、この規格が公的な取引や証明のために作られた器を対象にしている点にあります。研究や社内調査で使う器と同じつもりで読むと、必要とされる範囲を広く見積もりすぎます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)人が体で感じ取る揺れの帯域を過不足なく覆う範囲として、1 Hzから80 Hzまでが定められています。
(2)○(正しい)時間の重み付けに用いる時定数は0.63秒です。騒音計の速い応答よりゆっくりで、揺れの読み取りに合わせてあります。
(3)○(正しい)レベルを表すときのものさしとなる加速度の基準値は10-5 m/s2です。この値との比を20 log で表します。
(4)×(誤り)取引又は証明に用いる器に求められるのは鉛直方向の重み付けで、水平方向まで備えることが条件とされているわけではありません。
(5)○(正しい)許容される誤差は全周波数で一律に示されるのではなく、決められた周波数の点ごとに規定されています。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

この規格が想定しているのは、公的な場面で数値の根拠として使う器です。規制の現場で測るのは地面の上下の揺れであり、測定の手順も地表面に据えた器で鉛直方向を読むことを前提に組み立てられています。したがって検定を受ける器に求められる重み付けも鉛直方向のものであり、水平方向まで規定されているという読み方は行きすぎです。人の感じ方としては横揺れにも独自の特性があり、汎用の計測器や研究の場面ではそちらを扱うこともありますが、それと取引や証明のための要件とは別の話になります。

この一点を押さえておくと、ほかの仕様も筋道で思い出せます。測る対象が体で感じる揺れなので、周波数の範囲は低い側が1 Hzまで、高い側も百Hzに届かないところで頭打ちになります。音の器と同じ感覚で数千Hzまで測れると考えるのは誤りで、そこまで速い揺れは人が揺れとして感じません。応答の速さも同じ理屈で、ゆっくりした揺れを読むために音の器より長い時定数が採られています。検定の許容差が特定の周波数の点だけで示されるのも、器の性能を確かめるうえで代表的な点を押さえれば足りるという考え方によるものです。

覚え方

  • 取引又は証明に使う振動レベル計は鉛直方向が本体。規制で測るのも地面の上下の揺れ。
  • 使用周波数範囲は1〜80 Hz。人が揺れとして感じる帯域だけを覆う。
  • 時間の重み付けの時定数は0.63秒。音の器より応答はゆっくり。
  • 加速度の基準値は10-5 m/s2で20 log。音圧の基準値と取り違えない。
  • 検定の許容差は代表的な周波数の点ごとの規定。全帯域一律ではない。

理解度チェック

Q.

取引又は証明に用いる振動レベル計で規定されている重み付けは、どの向きですか。

鉛直方向です。規制に基づく測定が地表面の上下の揺れを対象としているためです。

Q.

振動レベル計の使用周波数範囲が80 Hzまでで足りるのはなぜですか。

人が揺れとして感じ取れる帯域がそこまでだからです。それより速い振動は感覚公害としての揺れではなく、音として受け取られます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF