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平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問25を解説|法が測るのは鉛直方向だけ

平成29年度 騒音・振動特論 問25は、法律に基づいて揺れの大きさを測るときの一般的な進め方を確かめる正誤問題です。5つの記述から誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

法に基づく測定は、計器・場所・代表値の三つが規則で固められています。中でも根っこにあるのが測る向きの決め方で、ここが決まるから計器に入れる感覚補正の回路も一つに決まり、以後の値の扱いも一本に定まります。分かれ目は、向きが二つあるかのように書いた記述を見抜けるかどうか。規格の上には水平向きの補正特性も用意されていますが、法に基づく測定はそれを使いません。二つの世界を混ぜると、この肢がもっともらしく見えてしまいます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)取引や証明に使う計器として位置づけられており、検定に合格したものを期限内で使う必要があります。
(2)×(誤り)扱うのは上下の向きだけで、横向きも測るとしている点が誤りです。
(3)○(正しい)対象を止めた状態の値が近いときは、その分を差し引いて評価します。差が小さいほど補正の影響が大きくなります。
(4)○(正しい)規制の対象となる施設をもつ工場では、原則として工場の土地の境で測ります。受け手の家の中ではありません。
(5)○(正しい)ほとんど動かない場合、周期的に変わる場合、不規則に大きく変わる場合で、取り出す値の決め方が変わります。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

地表を伝わって家屋まで届く揺れは、地表を這う波が主役です。この波は地面を上下に動かす成分が大きく、人がいちばん強く感じるのも上下の揺れです。そこで法に基づく測定では、上下の向きの値だけを取り上げ、それを地域の揺れの代表として扱います。計器に組み込む感覚補正の回路も、上下向けのものを選びます。

この肢は、上下と横の両方を測ると書いています。測る向きが二つあると思い込むと、計器の設定を横向きに切り替えてしまうおそれがあります。人の感じ方は向きによって違うので、補正の形も違います。上下向けの補正はある帯域を境に高い側で削っていく形ですが、横向けの補正はもっと低い側から削り始めます。同じ揺れを測っても、選ぶ回路が違えば結果は大きく変わります。

もう一つ、報告書の作り方でも影響が出ます。横向きの値を並記すると、どちらが規制の判断材料か分からない資料になります。学術的な調査や建物の設計では横向きの評価が要ることもありますが、それは法の判断とは別の話です。試験でも実務でも、「法に基づく測定=上下の向き=上下向けの補正回路」という一本の対応で押さえるのが確実です。

覚え方

  • 法に基づく測定は上下の向きだけ。感覚補正の回路も上下向け。横向きは使わない。
  • 測る場所は、工場ならその土地の境。受け手の建物の中ではない。
  • 対象を止めた状態の値が近いときは差し引いて評価する。差が小さいほど影響が大きい。
  • 計器は取引や証明に使うものとして扱われ、検定の期限管理が要る。
  • 取り出す値の決め方は変わり方の型で決まる。定常か、周期的か、不規則に大きく変わるか。

理解度チェック

Q.

計器の感覚補正回路を横向けに設定して測ると、値はどうなりますか。

実際より小さく出ます。横向けの補正は高い周波数側をより深く削るためです。工場からの揺れは十数ヘルツ以上に山があることが多く、この帯域で差が大きく出ます。法の判断には使えません。

Q.

対象の機械を止めたときの値が、動かしたときの値に近い場合はどう扱いますか。

その分を差し引く補正を行います。両者の差が小さいほど補正量は大きくなり、差がごくわずかなら対象の寄与を切り分けられないと判断します。測定時刻や場所を変える検討も必要になります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF
  • 振動規制法および同法に基づく測定方法(測定の向き・測定場所・代表値の決め方)
  • 日本産業規格 JIS C 1510「振動レベル計」(鉛直・水平の振動感覚補正特性)