平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問22を解説|空気ばねは付属機器と組んで使う
平成29年度 騒音・振動特論 問22は、圧縮した空気の弾性を利用する支持要素について、その作りと性質をまとめて確かめる正誤問題です。5つの記述から誤っているものを1つ選びます。
この問題のポイント
ゴムや金属のばねは、置いて機械を載せればそれだけで支持要素として働きます。ところが空気を使う方式は、空気をためる容器・気体の出入りを絞る部分・高さを一定に保つ弁・空気を送り込む源までがそろって初めて設計どおりに動きます。分かれ目はまさにこの点で、装置の一部として組み込むものか、それとも単体で完結する部品かという違いです。性能の高さばかりに目を向けていると、使い方の記述に混ぜ込まれた誤りを見落とします。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 内圧に耐えるため、ゴムの中に繊維の層を織り込んだ構造にします。タイヤと同じ考え方です。 |
| (2) | ×(誤り) | 周辺機器と組み合わせて初めて機能するもので、単体で使うのが主という点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 気体の圧縮性を使うため、ゴムでは届かない柔らかさが得られ、固有振動数をずっと低い側に設定できます。 |
| (4) | ○(正しい) | 支える媒体が気体で、膜も薄く軽いので、高い周波数の振動が伝わりにくくなります。 |
| (5) | ○(正しい) | じゃばら状に伸縮する形と、膜が転がるように変形する形の二通りが使い分けられています。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
ゴムや金属のばねは、たわみ量と荷重の関係が材料と形で決まってしまいます。ところが空気を使う方式では、たわみ量に対する力の増え方を内圧と容積で自由に決められます。この自由度こそが利点なのですが、裏を返せば内圧を保つ仕組みが外に必要ということでもあります。空気は必ず漏れますし、載せる荷重が変わればつり合いの高さも動きます。だから空気を送る源と、高さを検出して給排気する弁がセットになります。
さらに、より柔らかく仕上げたいときは別の容器を配管でつなぎ、実効的な容積を増やします。そのつなぎ目に絞りを設けると、空気が行き来するときの抵抗が減衰として働きます。つまり、ばねとしての硬さも減衰の量も、本体だけでは決まらず周辺の構成で決まります。この肢はそこを「置くだけで使うのが基本」と書き換えており、選定や施工の手間をまったく別物にしてしまいます。
この違いは費用と保守にも直結します。給気設備の確保、配管、漏れの点検、弁の調整といった前提を見落とすと、導入計画そのものが成り立ちません。逆に、荷重が大きく変わる機械でも高さと固有振動数を一定に保てるのは他の方式にはない強みです。置くだけで働くゴムや金属のばねと、系として組む空気の方式。この対比で押さえておけば、記述をすり替えられても気づけます。
覚え方
- 空気を使う支持は単体では成立しない。給気源・高さ調整弁・補助容器とセット。
- 硬さは内圧と容積で決まる。荷重が変わっても高さと固有振動数を保てるのが最大の利点。
- ゴムでは届かない低い固有振動数と、高い周波数の伝わりにくさを両立できる。
- 形はじゃばら状のものと膜が転がる形の2つ。荷重範囲とストロークで選ぶ。
- 弱点は空気漏れと設備の必要性。保守の手間まで含めて他方式と比べる。
理解度チェック
別の容器を配管でつないで容積を増やすと、支持の性質はどう変わりますか。
より柔らかくなり、固有振動数が下がります。同じたわみに対する圧力の上がり方が緩やかになるためです。つなぎ目に絞りを入れれば、空気の出入りの抵抗が減衰としても働きます。
載せる荷重が運転中に大きく変わる機械では、どの方式が向きますか。
空気を使う方式です。高さを検出して給排気する弁が働くため、荷重が変わっても支持高さと固有振動数がほぼ一定に保たれます。ゴムや金属のばねでは、荷重が変わると両方とも動いてしまいます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月