平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問11を解説|出力端子の位置が並び順を教える
平成29年度 騒音・振動特論 問11は、数字で表示する形式の騒音計の系統図について、ア~ウに入る演算部の正しい組合せを選ぶ問題です。
この問題のポイント
系統図では、音を拾う部分から始まり、電気の大きさを整える部分、数値の列に変える部分を経て、三つの演算部が並び、最後に表示へつながります。並び順を決める手がかりは図の中にある二つの取り出し口で、波形のまま取り出す口はデシベルに直す前、値として取り出す口はデシベルに直した後にあります。この2点を押さえると、三つの並びは一通りに定まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 周波数重み付け演算部 | 数値の列に変えた直後、まず耳の感じ方に合わせて周波数ごとの重みを掛けます。ここを通した信号が波形のまま取り出せる出力になります。 |
| イ | 時間重み付け演算部 | 重みを掛けた信号を2乗し、決められた速さでならします。刻々の値がここで作られ、応答の速い側・遅い側の違いが生まれます。 |
| ウ | 常用対数演算部 | 最後にデシベルへ直します。この後段から取り出せるのが値として扱える出力で、そのまま表示へ送られます。 |
ここが分かれ目
最初に固定できるのは最後の一つです。デシベルに直す操作は必ず並びのいちばん後ろに来ます。対数に直してしまうと、その後で足したりならしたりしても音のエネルギーの平均にはならないためです。したがって、この演算部を先頭や真ん中に置いた組合せは中身を見る前に外れます。
次の手がかりが二つの取り出し口です。波形のまま取り出す口は真ん中の演算部より前に付いています。ここから出るのは重みを掛けたあとの音の波形で、外部の記録器や周波数分析器へ送って詳しく調べるために使います。時間でならした後や対数に直した後の信号では波形が失われるので、この口は周波数の重み付けの直後にしか置けません。値として取り出す口は最後の演算部の後にあり、表示と同じ数値が出ます。
残る二つの順序も、この読み方でそのまま決まります。周波数の重み付けは音の成分ごとに掛ける処理なので波形を保ったまま行えますが、時間の重み付けは波形を2乗してならす処理なので、通した後の信号はもう波形ではありません。波形の口が前にあるという事実が、周波数の重み付けが先だと教えてくれます。
覚え方
- 並びは周波数の重み→時間の重み→デシベル化。対数は必ず最後。
- 波形のまま出る口は周波数の重み付けの直後。分析器へ送るための口。
- 値として出る口は対数に直した後。表示と同じ数値が出る。
- 対数に直した後で平均しても、音のエネルギーの平均にはならない。
- 時間の重み付けは2乗してならす処理。通した後の信号は波形ではない。
理解度チェック
デシベルへ直す処理が並びの最後に来るのはなぜですか。
対数に直した後で足したりならしたりしても、音のエネルギーの平均にならないからです。重み付けや時間のならしはすべてエネルギーの段階で済ませ、最後に表示用の値へ変換します。
波形のまま取り出せる出力は、どんな用途に使いますか。
外部の記録器や周波数分析器へ送る用途です。時間でならす前の信号なので、後から成分ごとの分析や再生ができます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
- JIS C 1509-1「電気音響-サウンドレベルメータ(騒音計)-第1部:仕様」(時間重み付きサウンドレベルの定義と処理の順序)
※ この記事の確認日:2026年7月