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平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問9を解説|谷が二つある形を選ぶ

平成29年度 騒音・振動特論 問9は、5つのグラフの中から、2枚の板の間に空気の層をもつ構造にあたる形を選ぶ問題です。正しいものを選びます。

この問題のポイント

2枚の板と間の空気は、おもりを二つばねでつないだのと同じ形をしています。ばねに相当するのが空気の層で、これが揺れやすい周波数では板が一緒に動いてしまい、遮る力が落ちます。逆にその周波数を超えると、1枚板から予想される伸び方をはるかに上回る勢いで性能が伸びます。さらに高いところでは、板そのものの曲げの波と音の波の歩調がそろって性能が落ちます。つまり低い側と高い側に落ち込みが一つずつあり、その間で破線を大きく上回る形が該当します。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(正しい記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)×(誤り)破線に沿って上がり、高い側で1か所だけ落ち込む形です。低い側に落ち込みがなく、1枚の板の典型にあたります。
(2)○(正しい)低い側に落ち込みがあり、そこから破線より急に立ち上がって大きく上回り、高い側でもう一度落ち込みます。空気層をもつ構造の特徴がそろっています。
(3)×(誤り)曲線がほぼ破線に沿ったまま進み、大きく上回る区間がありません。空気層で性能が跳ね上がる特徴が出ていません。
(4)×(誤り)低い側の落ち込みだけが描かれ、その先は破線に沿って戻ります。高い側の落ち込みも大きく上回る区間もありません。
(5)×(誤り)低い側の落ち込みが現れず、なだらかに立ち上がって頭打ちになる形です。共鳴による谷が欠けています。

ここが分かれ目

候補を絞る決め手は落ち込みが二つあるかどうかです。高い側の落ち込みは1枚の板でも起きるので、それだけでは空気層をもつ構造だと決められません。決定的なのは低い側の落ち込みで、これは2枚の板が空気のばねを介して揺すられる共振によるものです。1枚板には現れない特徴なので、ここを見れば一発で分かれます。

この共振が起きる周波数では、2枚の板が音に押されて一緒に動いてしまい、壁を厚く重くしたつもりが1枚板より劣るという結果になります。周波数を下げると空気層のばねが効かなくなるため、それより低いところでは全体の重さから予想される性能に戻ります。二重壁が低音に弱いと言われるのはこの谷が原因です。

共振の谷を低い方へ追いやるには、空気層を厚くするか板を重くします。谷の深さを浅くしたいときは、空気層に吸音材を入れて共振のエネルギーを熱に変えます。谷の位置は空気層の厚さと板の重さ、谷の深さは中の吸音という役割分担で覚えると、対策の選び方に直結します。

覚え方

  • 空気層をもつ構造の特徴は谷が二つ。低い側は共鳴、高い側は板の曲げ。
  • 谷と谷の間では、全体の重さから予想される線を大きく上回る。
  • 1枚板の図には低い側の谷がない。ここで見分ける。
  • 共鳴の谷を下げたいなら空気層を厚く。深さを浅くしたいなら中に吸音材。
  • 共鳴の周波数では2枚が一緒に動く。重ねたのに1枚より劣る帯域が生まれる。

理解度チェック

Q.

低い側の落ち込みは、2枚の板と空気層のどんな動きで生じますか。

空気の層がばねとして働き、2枚の板がそのばねを介して共振する動きです。この周波数では板が音に押されて一緒に動いてしまい、遮る力が落ちます。

Q.

共鳴による落ち込みを浅くするには、どんな手当てがありますか。

空気層の中に吸音材を入れます。共振のエネルギーが熱に変わり、谷が浅くなります。谷の位置そのものを下げたいときは、空気層を厚くするか板を重くします。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF