平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問3を解説|二つの通路の長さの差の決め方
平成29年度 騒音・振動特論 問3は、音の通り道を二手に分けて再び合流させる形式の消音器について、ア~ウに入る語句や式の正しい組合せを選ぶ問題です。
この問題のポイント
入口で分かれた音が別々の道を通り、出口でもう一度重なります。重なった時点で山と谷が向かい合っていれば互いを消し合い、通り抜ける音が小さくなります。組合せを絞る鍵は2つで、片方は道のりの差をどの長さに合わせるか、もう片方はイの分数が長さの単位になっているかどうかです。長さでない式が混ざっているので、単位を見るだけで候補が半分に減ります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | λ/2 | 道のりが半波長だけ違うと、合流したときに山と谷が向かい合って消し合います。差が2波長分では山どうしが重なり、逆に強め合ってしまいます。 |
| イ | c/(2f) | 波長は音速を周波数で割った値なので、その半分は音速を周波数の2倍で割った形になります。単位はメートルで、長さを引く式として成り立ちます。 |
| ウ | 小さく | 通り道の断面が波長に比べて細ければ、断面のどこでも音の山谷がそろって進みます。太いと断面内で位相がばらつき、出口での打ち消しが崩れます。 |
ここが分かれ目
まず落とせるのが、イの分数の向きです。2f/c という形は周波数を速度で割った値で、単位が長さの逆数になります。長さから引き算できない量なので、この形を含む組合せは中身を考えるまでもなく外れます。式の意味が思い出せなくても、単位のつじつまだけで候補を2つに絞れます。
次がアの取り違えです。道のりの差を波長の2倍に取ると、合流点で山と山、谷と谷が重なり、通り抜ける音は小さくなるどころか大きくなる方向に働きます。消し合いを狙うなら差は半波長、より正確には半波長の奇数倍です。試験で問われるのは基本形なので、まず半波長を押さえます。
最後がウの向きです。ここで大きくと答えると、断面の中で音の進み方に差が生まれ、出口で位相がそろわなくなります。細い通り道を音が平らな波として進む状態を保つことが前提なので、断面寸法は波長より十分に細いことが条件です。この条件が崩れる高い周波数では、狙った減音が得られなくなります。
覚え方
- 二手に分けて合流させる方式は道のりの差を半波長にして打ち消す。
- 長さの式に直すときは λ = c/f。半波長なら c/(2f) で単位はメートル。
- 分数の向きに迷ったら単位で判定。長さの式にメートルの逆数は入らない。
- 通り道の断面は波長より十分細く。太いと断面内で位相がばらけて効かない。
- 効くのは狙った1つの周波数とその奇数倍だけ。純音的な音向きの方式。
理解度チェック
二手に分かれた道のりの差を1波長分にすると、出口では何が起きますか。
山と山が重なるため強め合います。打ち消しを狙うなら、差は半波長、あるいは半波長の奇数倍にします。
通り道の断面寸法を波長より十分細くするのはなぜですか。
断面のどこでも音の山谷がそろって進む状態を保つためです。太いと断面内で進み方に差が出て、合流点で位相がそろわず打ち消しが崩れます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月