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平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問2を解説|波長の4分の1の奇数倍で効く

平成29年度 騒音・振動特論 問2は、太さが途中で広がって元に戻る形の消音器について、減音の効きが山になる周波数を式で表す問題です。正しいものを選びます。

この問題のポイント

太さが変わる境目では音波の一部が跳ね返り、広がった区間を往復した波と入口側の波が重なります。往復して戻ってきた波が入口側の波と打ち消し合う関係になったとき、通り抜ける音がいちばん減ります。分かれ目は、区間の長さが波長の何倍で効くのかという1点で、4分の1の奇数倍で山、2分の1の整数倍で谷という対になった関係を覚えているかが問われます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(正しい記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)×(誤り)n c/(8l)。区間の長さを波長の8分の1の整数倍とする形で、偶数番目では効きが山にならず条件を満たしません。
(2)×(誤り)n c/(4l)。4分の1の倍数という点は近いものの、偶数のnでは打ち消しが成立せず効きが消える周波数まで含んでしまいます。
(3)×(誤り)(2n-1)c/(8l)。奇数倍という形は合っていますが、基準が波長の8分の1で、山の間隔が実際の半分になります。
(4)○(正しい)(2n-1)c/(4l)。区間の長さが波長の4分の1の奇数倍になる周波数で、往復した波が入口側と逆位相になり効きが山になります。
(5)×(誤り)n c/(2l)。これは往復の位相差が一周分に戻る条件で、効きが山になるどころか消えてしまう周波数です。

導き方の手順

手順内容
手順1 効きの正体をつかむ断面が急に変わる面が2か所あり、そこで音波の一部が跳ね返ります。跳ね返った波が広がった区間を往復して戻り、入口側の波と重なることで通り抜ける音が変わります。
手順2 位相差を長さで書く区間の長さを l、波長を λ とすると、往復で進む距離は 2l です。これを波長で割った 2l/λ が、往復で生じるずれの回数にあたります。
手順3 打ち消しの条件を置く往復した波が入口側と真逆の向きになるのは、ずれが半分の奇数倍のとき、つまり 2l/λ が 1/2 の奇数倍のときです。式にすると l = (2n-1)λ/4 になります。
手順4 波長を周波数に直す手順3を波長について解くと λ = 4l/(2n-1) です。音速 c と波長・周波数の関係 f = c/λ に入れると、f = (2n-1)c/(4l) が得られます。
手順5 裏の条件も確かめる逆に l が λ/2 の整数倍になると往復のずれが一周分に戻り、跳ね返りが打ち消し合わず素通りに近づきます。この周波数は f = nc/(2l) で、山ではなく谷にあたります。

選択肢(5)のポイント(ここが引っかけ)

この形は式の見た目が単純で選びたくなりますが、中身は減音がいちばん効かなくなる周波数です。往復で生じるずれがちょうど一周分に戻るため、2か所の境目で跳ね返った波が互いを打ち消さず、音がそのまま先へ抜けていきます。

実機でも、この周波数の付近では効きがほとんど得られません。山と谷が交互に並ぶ形の特性になるのがこの方式の弱点で、幅広い周波数を落としたいときは区間を直列につないだり、内部に吸音材を張った方式と組み合わせたりします。

なお、効きの山の高さそのものは長さでは決まらず、広がった側と元の側の断面積の比が大きいほど高くなります。山の位置を決めるのが長さ、山の高さを決めるのが断面積の比という役割分担で覚えると混同しません。

覚え方

  • 効きの山は長さが波長の4分の1の奇数倍。周波数は (2n-1)c/(4l)。
  • 効きの谷は長さが波長の半分の整数倍。周波数は nc/(2l) で素通りに近づく。
  • 山の高さは断面積の比で決まる。比が大きいほど高い。
  • 山と谷が交互に来るので、広い帯域を狙うなら直列化か吸音併用。
  • 波長と周波数の変換は f = c/λ。長さの式が出たら必ず最後にこれで直す。

理解度チェック

Q.

広がった区間の長さが波長の半分ちょうどになると、減音はどうなりますか。

ほとんど効かなくなります。往復で生じる位相のずれが一周分に戻り、境目で跳ね返った波が打ち消し合わないためです。

Q.

減音の山を高くしたいとき、どこを変えますか。

広がった側と元の側の断面積の比を大きくします。区間の長さは山が出る周波数を決めるだけで、山の高さには効きません。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF