平成29年度 公害防止管理者 騒音・振動概論 問18を解説|打撃するか回すかで大小が決まる
平成29年度 騒音・振動概論 問18は、工事で使われる三つの機械について、少し離れたところで測った上下方向の揺れの大きさを順に並べる問題です。正しい並びを選びます。
この問題のポイント
三つの機械の値を数字で覚えていなくても、地盤にどんな形で力を加える機械かを思い浮かべれば順序は再現できます。揺れは、地面に加えられた力が波となって広がる現象です。だから同じ出力の機械でも、力を一瞬に集中して叩き込むものと、力をなだらかに与え続けるものとでは、地盤へ送り込まれる揺れの大きさが桁で違ってきます。今年の三つは、くいを打ち込むために重い部材を落として叩くもの、硬い塊を砕くために先端を高速で打ち続けるもの、そしてらせん状の刃を回して土を削り取るもので、力の与え方がちょうど三段階に分かれています。叩く機械が上、回す機械が下という骨格を持っていれば、残るのは叩く二つの順序だけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | くいを打ち込む機械が最も大きく、破砕用の機械が続き、回転で掘る機械が最も小さい並びです。 |
| (2) | ×(誤り) | 先頭は合っていますが、回転で掘る機械を破砕用より上に置いています。 |
| (3) | ×(誤り) | 最下位は合っていますが、上位二つの順序が逆です。地盤を直接打ち込む作業のほうが強く効きます。 |
| (4) | ×(誤り) | 最も大きいはずの打ち込み機械を最下位に置いており、力の加わり方と逆の並びです。 |
| (5) | ×(誤り) | 最も小さいはずの回転式を先頭に置いており、三つとも位置がずれています。 |
ここが分かれ目
まず、打撃と回転で二つに割ります。らせん状の刃を回して土を削り取る機械は、掘る力を回転として与えるため、地盤に瞬間的な衝撃を送りません。土は削られながら連続して上へ運ばれ、地面が受け取るのはなだらかな押し引きです。衝撃がないぶん、地盤に立つ波は小さくなります。三つの中で最も小さいのはこの機械だと決めてしまってかまいません。ここを外すと、残り二つをどう並べても正解にたどり着きません。
次に、打撃する二つの順序です。くいを打ち込む作業は、重い部材を持ち上げて落とし、くいの頭を通じて力を地中深くへ送り込みます。力の入口が地面そのものであり、しかもくいを介して深いところまで一気に伝わるため、地盤には最も大きな波が立ちます。一方、硬い塊を砕く機械は、打撃こそ繰り返しますが、狙いは目の前の構造物を壊すことにあります。打撃のエネルギーの多くは砕く対象の破壊に使われ、地盤へ回る分は打ち込み作業ほど大きくなりません。したがって、くい打ちが先頭、破砕が二番手という並びになります。
この設問には、測る向きと距離の条件も添えられています。上下方向を測ることになっているのは、公害としての揺れの評価が上下方向を基本にしているからです。人が全身で受ける揺れは、立っていても座っていても上下方向に敏感で、規制の測定もその向きで行われます。また、機械から少し離れた地点という条件は、機械ごとの比較を同じ土俵で行うためのものです。距離が違えば順位そのものが入れ替わることはありませんが、値は大きく変わります。揺れは地盤を広がるにつれて弱まり、波面が広がることによる減衰に、地盤自身が吸収する減衰が重なるからです。
試験対策としては、機械の名前を数字と結びつけるのではなく、力の与え方を打撃・破砕・回転の三段階で覚えるのが結局は速く、応用も利きます。工事の届出や規制の対象になる作業がどれかを考えるときにも、同じ物差しがそのまま使えます。
覚え方
- 地盤を叩く機械ほど揺れが大きく、回して削る機械は小さい。まず二分する。
- 叩く二つは、力が地盤へ直接向かうくい打ちが上、対象物の破壊に使われる破砕が下。
- 公害としての揺れの評価は上下方向が基本。測る向きの指定に意味がある。
- 距離が変われば値は動くが、機械どうしの順位は入れ替わらない。
- 名前と数字ではなく、打撃・破砕・回転の三段階で覚える。
理解度チェック
らせん状の刃で土を掘る機械の揺れが小さいのはなぜか。
力を回転として連続的に与えるからです。地盤が受け取るのはなだらかな押し引きで、瞬間的な衝撃が入らないため、立つ波が小さくなります。
同じく打撃する機械でも、くいを打ち込む作業のほうが揺れが大きいのはなぜか。
力の入口が地盤そのものだからです。くいを介して深いところまで衝撃が伝わります。破砕では打撃の多くが対象物を壊すことに使われます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月