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平成30年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問20を解説|フレームはバーナーで作る(ICPとの取り違え)

平成30年度 汚水処理特論 問20は、フレーム原子吸光法のしくみについての記述中、下線を付した箇所のうち誤っているものを選ぶ問題です。

この問題のポイント

この問題は、炎をどうやって作るかという一点で決まります。分かれ目は別の分析法の装置名がまぎれ込んでいることに気づけるかどうかで、残りの記述はフレーム原子吸光法そのものの説明として正しく書かれています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている箇所)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)トーチと誘導コイルはICP発光分光分析法でプラズマを作るための装置です。フレーム原子吸光法の炎はバーナーで作ります。
(2)○(正しい)試料溶液は霧状にして炎へ送り込みます。正しい記述です。
(3)○(正しい)炎の中で試料が分解され、目的元素の原子蒸気が生じます。正しい記述です。
(4)○(正しい)光源には測定する元素に合わせた中空陰極ランプなどを使います。正しい記述です。
(5)○(正しい)原子蒸気を透過した光がどれだけ弱まったか、すなわち吸光度を測ります。正しい記述です。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

フレーム原子吸光法は、可燃性ガスと助燃ガスをバーナーで燃やして炎を作り、そこへ試料の霧を送り込んで目的元素を原子の状態にします。できた原子蒸気に、その元素だけが吸う波長の光を通し、どれだけ光が弱まったかから濃度を求めます。光源に中空陰極ランプを使うのは、測る元素と同じ元素で作られたランプがその元素にぴったり合う波長の光を出すからです。

これに対してトーチと誘導コイルは、アルゴンに高周波の電磁場をかけてプラズマを起こすための部品で、ICP発光分光分析法の装置です。同じ「試料を霧にして高温部へ送る」形をしているため入れ替えても文章が通ってしまうのが、この肢の巧妙なところです。

2つは測っているものも違います。原子吸光法は原子が光を吸う量を測り、ICP発光分光分析法は原子が自ら出す光を測ります吸うのか出すのかという向きの違いまで押さえておくと、装置名がすり替わっていても気づけます。

覚え方

  • 高温部の作り方で見分ける。フレーム原子吸光法=バーナーの炎/ICP=トーチと誘導コイルのプラズマ
  • 測る向きも逆。原子吸光は「吸う量」、ICP発光は「出す光」
  • 中空陰極ランプは測る元素と同じ元素で作られた光源。だから元素ごとに取り替える。
  • 装置名がまぎれ込む出題は、形が似ていて文章が通ってしまうものが選ばれる。名前と原理をセットで覚える。

理解度チェック

Q.

フレーム原子吸光法では、原子蒸気を作る高温部をどうやって作りますか。

バーナーで可燃性ガスと助燃ガスを燃やして炎を作ります。トーチと誘導コイルでプラズマを起こすのはICP発光分光分析法です。

Q.

原子吸光法とICP発光分光分析法では、測っているものがどう違いますか。

原子吸光法は原子が光を吸う量を、ICP発光分光分析法は原子が自ら出す光を測ります。吸うのか出すのかが逆です。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題」(公式PDF