平成30年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問14を解説|SVとSVIからMLSS濃度を逆算する
平成30年度 汚水処理特論 問14は、汚泥負荷を求める計算問題です。ただしMLSS濃度が直接は与えられていません。
この問題のポイント
この問題は、MLSS濃度が問題文に書かれていないことに気づけるかで決まります。分かれ目はSVとSVIという2つの指標からMLSS濃度を逆算できるかで、ここを通れば残りは普通の汚泥負荷の計算です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(0.2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 0.15。MLSS濃度の逆算を誤ると、この付近の値になります。 |
| (2) | ○ | 0.2。SVとSVIからMLSS濃度を求め、汚泥負荷を計算した値と一致します。これが正解です。 |
| (3) | × | 0.25。単位の換算を落とすと近い値が出ます。 |
| (4) | × | 0.3。SVとSVIの掛け割りを逆にすると、この付近に寄ります。 |
| (5) | × | 0.35。複数の手順を取り違えた場合の値です。 |
計算の手順
| 手順 | 内容 | 値 |
|---|---|---|
| 手順1 BOD量 | 濃度と流量を掛け、キログラムにそろえます。 | 18 kg/日 |
| 手順2 MLSS濃度 | SVI=SV÷MLSS濃度の関係を、MLSS濃度について解きます。単位に注意します。 | 2000 mg/L |
| 手順3 槽内汚泥量 | 手順2に曝気槽の容量を掛けます。 | 90 kg |
| 手順4 汚泥負荷 | 手順1を手順3で割ります。 | 0.2 |
ここが分かれ目
汚泥負荷を出すにはMLSS濃度が要りますが、この問題では代わりにSV(30分間静置後の汚泥容積)とSVI(汚泥容量指標)が与えられています。この2つは無関係な指標ではなく、SVIは汚泥1グラムが占める体積を表すので、SVをSVIで割ればその水に何グラムの汚泥が入っているかが出ます。つまりMLSS濃度は、この2つから逆算できます。MLSS濃度が書かれていないから解けない、と早合点するのがこの問題の落とし穴です。
換算では単位に注意が要ります。SVはリットルあたりのミリリットル、SVIはグラムあたりのミリリットルで与えられるので、割り算の結果はリットルあたりのグラムになります。これをミリグラム毎リットルに直してから使ってください。SVとSVIを掛けてしまうと、汚泥が濃いほど薄いという逆の結果が出ます。SVIが大きいほど汚泥は膨れていて濃度は低い、という向きで確かめられます。
覚え方
- MLSS濃度はSVをSVIで割って求まる。書かれていなければこの逆算を疑う。
- SVIは汚泥1グラムが占める体積。大きいほど膨れている=沈みにくい。
- 向きで検算する。SVIが大きいほどMLSS濃度は低い。掛け算にすると逆になる。
- 汚泥負荷の分母は槽内汚泥量=MLSS濃度×曝気槽容量。濃度のままでは割れない。
理解度チェック
MLSS濃度が与えられていないとき、SVとSVIからどう求めますか。
SVをSVIで割ります。SVIは汚泥1グラムが占める体積なので、汚泥の体積をこれで割れば重さが出ます。単位を直してからMLSS濃度として使います。
SVIが大きい汚泥は、MLSS濃度が高いですか、低いですか。
低くなります。SVIが大きいのは汚泥が膨れて沈みにくい状態で、同じ体積に含まれる汚泥の重さが軽いことを意味します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月