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平成30年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問9を解説|汚泥の脱水(ベルトプレスは重力+圧搾)

平成30年度 汚水処理特論 問9は、処理の過程で出てきた泥から水を絞り取る機械それぞれの仕組みについての正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

五つの記述は、水を追い出す力を何に頼るかで並んでいます。吸い込む力に頼るもの、押し込む力に頼るもの、回転で生じる見かけの重さに頼るもの。脱水機の名前を覚えるより、その機械がどんな力で水を抜いているかを一つずつ言えるかどうかが問われています。四つはその力の説明が正しく述べられており、残る一つだけが、途中まで正しく説明しておきながら、肝心の絞る工程を落としたまま結論へ飛んでいます。脱水機と濃縮機の境目がどこにあるかを考えると見分けられます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)回転する円筒の内側を減圧し、その負圧で汚泥をろ材の面へ引き付けて水を抜く仕組みです。
(2)×(誤り)重力で水を抜いたあとにロールで挟んで圧搾する工程が抜けています。これが正解です。
(3)○(正しい)ポンプで狭い室に押し込んで絞り、絞り終えたら板を開いて固まりを落とす、という手順どおりです。
(4)○(正しい)回転する軸の羽根で汚泥を狭まっていく隙間へ送り込み、そこで生じる圧力で絞ります。
(5)○(正しい)高速回転で生じる大きな力を重力の代わりに使い、固形分と水を密度差で分けます。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

ベルトプレスは、上下二枚のろ布の間に汚泥を挟んで進ませる機械です。工程は大きく二段構えになっており、前半で重力によって自由に流れ落ちる水を抜き、後半でロールの間を通しながら圧搾とせん断を加えて残った水を絞り出します。名前に「プレス」と入っているのは、この後半の押し潰す工程こそが脱水機としての本体だからです。重力で水を抜いた段階の汚泥をそのまま製品として出す装置だと述べると、機械の後半をまるごと省いた説明になってしまいます。

重力だけで水を抜いた段階の汚泥は、まだ流動性が残っていて手にすくえば垂れる状態です。この段階で止める装置は濃縮機と呼ばれ、重力だけで終わるなら濃縮、絞ってケーキにするのが脱水という線引きになります。脱水機に求められるのは、運搬や焼却、埋立に耐えるだけの含水率まで下げてケーキと呼べる固まりにすることで、そこまで持っていくには重力以外の力を加えなければなりません。ベルトプレスがその力に選んだのがロールによる圧搾で、複数のロールをジグザグに通しながら圧力を少しずつ強め、同時にろ布のずれで汚泥をこすることで、内部に閉じ込められた水の逃げ道をつくっています。

他の四つは、水を抜く力の違いをそのまま述べたものです。真空ろ過は円筒の内側を減圧し、その負圧で汚泥をろ布へ吸い付けて水を引き抜きます。フィルタープレスは加圧ポンプで各室へ汚泥を押し込み、圧搾したあとにろ板を開いてケーキを落とします。スクリュープレスは回転するウォームで汚泥を先へ送りながら通り道を狭め、詰まっていく圧力そのものを絞る力に変えます。遠心脱水は高速回転で重力よりはるかに大きな力をつくり、密度の違いで固形分を外側へ、水を内側へ振り分けます。吸う・押す・回すのどれで水を追い出しているかで整理すると、名前と仕組みが結びつきます。

覚え方

  • ベルトプレスは重力ろ過のあとに必ずロールの圧搾がある。前半だけの説明は誤り。
  • 重力だけで止めるのは濃縮、絞ってケーキにするのが脱水。この線引きで肢を切る。
  • 脱水機は「吸う(真空ろ過)・押す(フィルタープレス、スクリュープレス)・回す(遠心)」で三分類。
  • 名前に「プレス」が付いていたら、どこかで必ず押し潰す工程がある。
  • 凝集剤の添加はどの方式でも前段の下ごしらえ。それ自体は脱水の力ではない。

理解度チェック

Q.

ベルトプレスは重力による脱水のあと、どんな工程を経て脱水汚泥になるか。

二枚のろ布に挟んだままロールの間を通し、圧搾とせん断を加えて絞る工程が続きます。重力で抜けるのは自由に流れ落ちる水だけで、そこで止めれば濃縮にとどまります。運搬や焼却に耐える含水率まで下げるには、この圧搾工程が欠かせません。

Q.

スクリュープレスと遠心脱水は、それぞれ何の力で水を抜いているか。

スクリュープレスは、回転するウォームが汚泥を狭まる隙間へ送り込むことで生じる圧搾圧力です。遠心脱水は高速回転でつくり出した遠心力で、重力の代わりに密度差で固形分と水を分けます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題・正解」(公式PDF