平成30年度 公害防止管理者 汚水処理特論 問1を解説|向流二段洗浄で不純物はどこまで減るか
平成30年度 汚水処理特論 問1は、向流二段洗浄で製品に付着した不純物がどこまで減るかを求める計算問題です。
この問題のポイント
この問題は、1段通るごとに不純物が「持ち出す水量÷洗浄水量」の割合まで薄まるという見方ができれば、比を段数分だけ掛けるだけで答えが出ます。分かれ目は単位をそろえることで、洗浄水量と持ち出し水量が別の単位で与えられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(約1/10000)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 1/100。1段分しか掛けていない場合の値です。 |
| (2) | × | 1/1000。比の取り方を誤ると、この付近になります。 |
| (3) | ○ | 約1/10000。1段あたりの比を2段分掛けた値と一致します。これが正解です。 |
| (4) | × | 1/100000。段数を多く見積もった場合の値です。 |
| (5) | × | 1/1000000。3段分掛けてしまうと、この値になります。 |
計算の手順
| 手順 | 内容 | 値 |
|---|---|---|
| 手順1 単位をそろえる | 洗浄水量は立方メートル毎分、持ち出し水量はリットル毎分で与えられています。同じ単位に直します。 | 1000 L/min と 10 L/min |
| 手順2 1段あたりの比 | 持ち出す水量を洗浄水量で割ります。これが1段通るごとに残る割合の目安です。 | 1/100 |
| 手順3 段数分を掛ける | 二段なので手順2を2回掛けます。 | 約1/10000 |
| 手順4 確かめ | 物質収支をきちんと解いても約1/10100となり、選択肢の中では1/10000がいちばん近い値です。 | 一致 |
ここが分かれ目
向流多段洗浄は、製品と洗浄水を逆向きに流すのが要点です。製品はいちばん汚れた段から入り、きれいな段へ進んでいきます。洗浄水は逆に、新しい水が最後の段に入り、汚れながら手前の段へ戻ります。この向かい合わせにするだけで、同じ水量でも洗浄の効きが段数分だけ累乗で効いてくるようになります。
各段では、製品が持ち出すわずかな水と、槽を出ていく大量の洗浄水とが同じ濃度になっています。だから製品が運び去る不純物は、その段に入ってきた不純物のうち持ち出し水量が洗浄水量に占める割合だけになります。ここでは1段ごとにおよそ100分の1、二段で1万分の1です。段数を1つ数え違えるだけで答えが100倍ずれるので、図の段数を必ず確かめてください。
実務上の意味も押さえておきます。段数を増やすほど、同じ洗浄効果をより少ない水で達成できます。排水量そのものを減らす対策として、洗浄工程では有力な手段になります。単位のそろえ忘れだけは注意してください。立方メートルとリットルが混在して与えられるのが定番です。
覚え方
- 1段ごとに持ち出し水量÷洗浄水量の割合まで薄まる。段数分だけ掛ける。
- 向流=製品と水が逆向き。同じ水量でも効きが累乗で伸びるのが利点。
- 段数を1つ間違えると答えが桁で変わる。図の段数を先に数える。
- 立方メートルとリットルが混ざって出る。単位をそろえてから比を取る。
理解度チェック
向流多段洗浄では、1段通過するごとに不純物はどの割合まで減りますか。
製品が持ち出す水量を洗浄水量で割った割合まで減るのが目安です。段数分だけこの比を掛ければ、全体でどこまで減るかが出ます。
向流にすると何が有利になりますか。
製品と洗浄水を逆向きに流すことで、同じ水量でも段数分だけ累乗で洗浄効果が高まります。少ない水で同じ効果が得られるため、排水量の削減につながります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 汚水処理特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月