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平成30年度 公害防止管理者 公害総論 問11を解説|水循環と水質環境問題(分流式下水道)

平成30年度 公害総論 問11は、水の循環と水質環境問題に関する正誤問題です。正しいものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、水循環を動かすエネルギー、生活排水の範囲、下水道の集め方、工業用水の回収、水生生物保全の基準という、水の分野の基礎を横断的に問うものです。分かれ目は、分流式下水道が汚水と雨水をそれぞれどこへ送るかを正確に言えるかどうかで、合流式との区別がついていないと選びきれません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(正しい記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)蒸発・降水という水の大循環を動かしているのは太陽エネルギーです。地球内部のエネルギーとするのは誤りです。
(2)×(誤り)生活排水はし尿を含む生活由来の排水全体を指します。し尿を除いたものは生活雑排水と呼び分けます。
(3)○(正しい)汚水と雨水を別々の管きょで集め、汚水だけを下水処理場へ送る方式です。これが正解です。
(4)×(誤り)工業用水の回収利用は高い水準にありますが、100%には達していません。「ほぼ100%」は言い過ぎです。
(5)×(誤り)水生生物の保全に係る環境基準の溶存酸素量は底層溶存酸素量です。表層ではありません。

選択肢(3)のポイント(ここが正しい)

分流式下水道は、汚水を流す管と雨水を流す管を別々に敷設する方式です。汚水は全量が下水処理場へ運ばれて処理され、雨水は処理を経ずに川や海へ放流されます。汚水が薄まらずに処理場へ届くため、処理の効率という点でも有利です。

これに対して合流式下水道は、汚水と雨水を1本の管でまとめて集めます。晴天時は問題ありませんが、大雨で管の容量を超えると、汚水の混じった下水が未処理のまま公共用水域へ越流します。この雨天時越流水が合流式の弱点で、都市部の水質汚濁の一因となってきました。

一方で分流式にも死角があります。雨水管に集められた雨水は処理されないため、路面に溜まった油分や粉じんがそのまま水域へ入るという面源汚濁の問題が残ります。「分流式なら汚れは一切出ない」と読み替えないよう注意してください。

覚え方

  • 分流式=汚水は処理場へ・雨水はそのまま放流。合流式=1本の管、大雨で未処理のまま越流。
  • 生活排水はし尿込み。し尿を除いた台所・風呂・洗濯の排水が生活雑排水。
  • 水の大循環の動力は太陽。地球内部の熱で回っているのは火山やプレートの世界。
  • 水生生物保全の環境基準は、全亜鉛などの物質に加えて底層溶存酸素量。表層と書いてあったら誤り。

理解度チェック

Q.

分流式下水道では、汚水と雨水はそれぞれどこへ行くか。

汚水は下水処理場で処理され、雨水はそのまま川や海へ放流されます。合流式は1本の管で集めるため、大雨のときに汚水混じりの下水が未処理で越流します。

Q.

水生生物の保全に係る環境基準で定められている溶存酸素量は、表層と底層のどちらか。

底層溶存酸素量です。貧酸素化が起きるのは水が動きにくい底層で、そこが生物の生息・再生産の場として守るべき対象になります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF
  • 下水道法/国土交通省 下水道の合流式・分流式の解説
  • 環境省「水生生物の保全に係る水質環境基準」