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平成30年度 公害防止管理者 公害総論 問10を解説|水質汚濁の現状(CODの達成率は湖沼が最も低い)

平成30年度 公害総論 問10は、公共用水域と地下水の水質測定結果からみた水質汚濁の現状に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、水質の測定結果を「どの区分でどちらが高いか」という大小関係で押さえているかを問うものです。引っかけの核心は、有機汚濁の環境基準達成率が水域区分によって大きく違うという点で、湖沼と海域の高低を入れ替えて出題されています。健康項目と生活環境項目では達成の状況がまったく異なることも、あわせて意識しておきたいところです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)健康の保護に関する項目はいずれの水域でも達成率がきわめて高く、河川と海域を比べると海域のほうが高くなっています。正しい記述です。
(2)×(誤り)CODの環境基準達成率は湖沼が最も低く、海域のほうが湖沼より高くなります。高低が逆で誤りです。
(3)○(正しい)ひ素は地層由来で地下水に溶け出すことがあるため、超過率は公共用水域より地下水のほうが高くなります。正しい記述です。
(4)○(正しい)地下水の概況調査では、調査対象井戸のうち一部の井戸で環境基準を超える項目がみられます。正しい記述です。
(5)○(正しい)施肥・家畜排せつ物・生活排水に由来して全国的に検出され、地下水で超過率が最も高い項目となっています。正しい記述です。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

有機汚濁の指標は、河川がBOD、湖沼と海域がCODで評価されます。この達成率を水域区分ごとに比べると、湖沼が最も低いというのが長年変わらない傾向です。選択肢(2)は湖沼のほうが海域より高いとしており、高低が入れ替わっています。

湖沼で達成が進まないのは、水の入れ替わりが遅いという構造上の理由によります。流入した窒素・りんが系内にとどまって植物プランクトンが増え、その死骸が有機物として蓄積するため、流域の排水対策を進めても水質がすぐには改善しません。海域も閉鎖性の湾では同じ問題を抱えますが、外洋との交換がある分だけ湖沼より条件がよくなります。

覚え方

  • 有機汚濁の環境基準達成率は湖沼が最下位。水が滞る水域ほど達成が難しい、と構造で覚える。
  • 健康項目はほぼ達成、生活環境項目(BOD・COD)は水域差が大きい。「達成率が低い」話が出たら生活環境項目を疑う。
  • 指標の使い分け=河川はBOD、湖沼・海域はCOD。
  • 地下水で目立つ超過は、自然由来のひ素と、肥料・家畜排せつ物由来の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素。

理解度チェック

Q.

有機汚濁(BOD・COD)の環境基準達成率が最も低い水域区分は?

湖沼です。水の滞留時間が長く窒素・りんが蓄積して内部生産が進むため、達成が進みにくい水域です。「海域より湖沼のほうが高い」は誤りです。

Q.

地下水で環境基準の超過率が最も高い項目は?

硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素です。施肥、家畜排せつ物、生活排水に由来し、全国的に検出されます。ひ素は主に地層由来で、公共用水域より地下水のほうが超過率が高くなります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF
  • 環境省「平成27年度 公共用水域水質測定結果」「平成27年度 地下水質測定結果」(概況調査)