平成30年度 公害防止管理者 公害総論 問7を解説|パリ協定の長期目標は2℃(2.5℃ではない)
平成30年度 公害総論 問7は、地球温暖化対策の新たな国際枠組み(パリ協定)に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、パリ協定がいつ採択され、何を長期目標に掲げ、締約国にどのような手続を課しているかという骨格を問う正誤問題です。引っかけの核心は長期目標の気温で、協定を象徴する数字だけがすり替えられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | パリ協定は、2015年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択されました。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 世界共通の長期目標は、産業革命前からの平均気温上昇を2℃より低く保つことです。2.5℃とするのは誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | すべての締約国が削減目標・行動を5年ごとに提出・更新する仕組みで、先進国だけの義務ではありません。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 世界全体の進み具合を5年ごとに締約国会議で点検するグローバル・ストックテイクが置かれています。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 我が国はCOP21に先立ち、2013年度を基準として2030年度までの削減率を示す貢献案を提出しています。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
パリ協定の世界共通の長期目標は、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃より低く保つことであり、さらに1.5℃に抑える努力を追求するとされています。2.5℃より低く保つとするのは誤りで、協定の中心的な数字を1段階ゆるめた形の引っかけです。
この数字を緩く覚えてしまうと、各国の削減目標が本来より甘くてもよいという理解につながり、5年ごとの提出・更新やグローバル・ストックテイクという点検の仕組みが何のためにあるのかも見えなくなります。目標の水準と点検の仕組みはセットで押さえます。
覚え方
- パリ協定の数字は2℃より低く・1.5℃を追求・5年ごとの3点セット。中途半端な2.5℃は登場しない。
- 採択はCOP21(2015年)。京都議定書との違いは、先進国だけでなくすべての締約国が目標を出す点。
- 5年ごとが2か所ある。各国の目標の提出・更新と、世界全体の点検(グローバル・ストックテイク)。
理解度チェック
Q.
パリ協定が掲げる世界共通の長期目標を、気温で答えよ。
産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃より低く保つことです。加えて1.5℃に抑える努力を追求するとされています。
Q.
パリ協定で「5年ごと」に行うこととされているのは何か。
各締約国による削減目標・行動の提出・更新と、世界全体の実施状況を点検するグローバル・ストックテイクです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- パリ協定(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議で採択)
※ この記事の確認日:2026年7月