平成30年度 公害防止管理者 公害総論 問2を解説|法律と用語の組合せ(水質臭気指数という用語はない)
平成30年度 公害総論 問2は、法律と、その法律で使われている用語の組合せに関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、環境関係の各法律が持つ「その法律にしかない固有の用語」を知っているかを問う組合せ問題です。用語そのものが実在するかどうかではなく、どの法律の用語かが分かれ目で、実在する用語を別の法律に付け替えた肢が1つ混ぜられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 石綿を含む建築物の解体等を規制するため、大気汚染防止法が「特定粉じん排出等作業」という用語を置いています。正しい組合せです。 |
| (2) | ×(誤り) | 臭気指数はにおいの強さを人の嗅覚で評価する悪臭防止法の用語で、水質汚濁防止法に「水質臭気指数」という用語はありません。 |
| (3) | ○(正しい) | 土壌汚染対策法は汚染された土地を区域に指定して管理し、その一類型が「形質変更時要届出区域」です。正しい組合せです。 |
| (4) | ○(正しい) | 地盤沈下を防ぐため地下水の採取を許可制とする工業用水法は、井戸の規模を「揚水機の吐出口の断面積」で表します。正しい組合せです。 |
| (5) | ○(正しい) | 地球温暖化対策の推進に関する法律の算定・報告・公表制度で用いるのが「温室効果ガス算定排出量」です。正しい組合せです。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
臭気指数は、においのついた空気や水を無臭の空気・水で薄めていき、においを感じなくなるまでの希釈倍数から求める指標で、悪臭防止法が規制基準の物差しとして用いています。したがって臭気指数を水質汚濁防止法の用語として挙げるのは誤りです。
「水質」を頭に付けられると水の法律の用語らしく見えますが、水質汚濁防止法が持つ固有の用語は、特定施設・特定事業場・排出水・有害物質使用特定施設といった系統です。においの強さを表す指標は水質汚濁防止法には置かれていません。実在する用語に別の分野を示す語をかぶせて所属法をずらすのが、この形式の常套手段です。
覚え方
- 臭気指数といえば悪臭防止法。においを希釈倍数で測る発想は悪臭の法律だけ。
- 法律ごとの看板用語で仕分ける。大気汚染防止法=ばい煙・粉じん系、水質汚濁防止法=特定施設・排出水系、土壌汚染対策法=要措置区域などの区域系。
- 用語が実在しても所属法が違えば誤り。組合せ問題は「用語を知っているか」でなく「持ち主を知っているか」で解く。
理解度チェック
Q.
臭気指数は、どの法律で用いられている用語か。
悪臭防止法です。においを感じなくなるまでの希釈倍数からにおいの強さを表す指標で、水質汚濁防止法の用語ではありません。
Q.
「特定粉じん排出等作業」と「形質変更時要届出区域」は、それぞれどの法律の用語か。
前者は大気汚染防止法(石綿を含む建築物等の解体作業の規制)、後者は土壌汚染対策法(汚染された土地の区域指定)の用語です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- 悪臭防止法/水質汚濁防止法/大気汚染防止法/土壌汚染対策法/工業用水法/地球温暖化対策の推進に関する法律
※ この記事の確認日:2026年7月