平成29年度 公害防止管理者 公害総論 問13を解説|業種別排出量の首位はパルプ・紙ではない
平成29年度 公害総論 問13は、工場や事業所から出る不要物の区分と、排出・処理の実態に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、排出量の並びを種類ごとと業種ごとの二通りで押さえているかを問うものです。引っかけの核心は業種の並びの首位にあり、種類の並びのほうは正しく書かれているため、二つの並びが本来どうつながっているかを知らないと見抜けません。多く出す業種と多く出る種類は一対で覚えるのが近道です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 事業活動に伴って生じ、法令で種類が限定して列挙されたものが該当し、廃油や廃酸などがこれに含まれます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 種類ごとの並びは、汚泥が突出して多く、動物のふん尿、がれき類が続きます。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 業種ごとの並びで最も多いのは下水道業を含む電気・ガス・熱供給・水道業であり、紙を作る業種が首位ではありません。 |
| (4) | ○(正しい) | 排出量の大部分がいったん中間処理に回され、直接再生利用に向かう分がこれに次ぎます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 動物のふん尿、がれき類、金属くず、鉱さいは、いずれも再生利用の割合が高い区分です。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
種類ごとの並びと業種ごとの並びは、ばらばらに覚えるものではなく一対で対応します。種類の首位である汚泥のうち、量として圧倒的なのは下水処理場から出る下水汚泥です。そして下水道業は業種の区分では電気・ガス・熱供給・水道業に含まれます。つまり種類の首位が汚泥である以上、業種の首位も自動的に電気・ガス・熱供給・水道業になるという関係です。
同じ理屈で二番手以下もつながります。動物のふん尿を出すのは農業・林業、がれき類を出すのは建設業ですから、業種の並びは電気・ガス・熱供給・水道業、農業・林業、建設業の順になります。紙を作る業種も汚泥を多く出しますが、下水汚泥の量には遠く及ばず、首位にはなりません。
もう一点、この分野は製造業が主役だと思い込みやすいところに落とし穴があります。排出量で上位を占めるのは、下水処理、畜産、建設という、いずれも製造業以外の分野です。工場から出るものというイメージだけで並びを推測すると取り違えます。
覚え方
- 種類の首位である汚泥は下水道業=電気・ガス・熱供給・水道業から出る。種類と業種の首位は一対で動く。
- 上位3組は、汚泥と電気・ガス・熱供給・水道業、動物のふん尿と農業・林業、がれき類と建設業。セットで暗記する。
- 上位業種はいずれも製造業ではない。工場のイメージで順位を推測しない。
- 処理の流れは、大半が中間処理、次いで直接再生利用、直接最終処分はごくわずか。減量してから最終処分、という順で押さえる。
理解度チェック
業種ごとの排出量で最も多い業種はどこですか。またその理由は。
電気・ガス・熱供給・水道業です。下水道業がこの区分に含まれ、下水処理に伴う下水汚泥が大量に発生するためです。種類ごとの首位が汚泥であることと対応しています。
再生利用の割合が高い区分にはどのようなものがありますか。
動物のふん尿、がれき類、金属くず、鉱さいなどです。ふん尿は堆肥に、がれき類は路盤材に、金属くずや鉱さいは原料として使い道がはっきりしており、性状もそろっているため利用が進みます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
- 環境省「産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成25年度実績)」
※ この記事の確認日:2026年7月