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平成29年度 公害防止管理者 公害総論 問10を解説|悪臭の苦情で最も多い発生源は畜産農業ではない

平成29年度 公害総論 問10は、においによる生活環境被害の規制の仕組みと苦情の動向に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、規制がどこを測って行われるかという制度面と、苦情がどこから寄せられているかという実態面を、あわせて押さえているかを問うものです。引っかけの核心は発生源の内訳で何が首位かという一点で、古い時代のイメージのまま覚えていると取り違えます。この分野は苦情の中身が時代とともに移り変わってきたことを意識しておきたいところです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)規制は敷地の境界線、気体の排出口、排出水の3か所で行われ、排出水に含まれるものも対象になります。正しい記述です。
(2)×(誤り)発生源の内訳で首位を占めるのは屋外での焼却であり、畜産農業は上位に入るものの最も多い区分ではありません。
(3)○(正しい)苦情件数は平成16年度をピークとして減少に転じ、その後は減少の傾向が続いています。正しい記述です。
(4)○(正しい)硫化水素は、アンモニアやメチルメルカプタンと並ぶ代表的な規制対象物質です。正しい記述です。
(5)○(正しい)物質ごとの濃度では捉えきれない混ざり合ったにおいに対応するため、人の嗅覚を用いる指数による規制が設けられています。正しい記述です。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

畜産農業は、法律ができた当時の代表的な発生源であり、家畜のふん尿に由来する強いにおいが問題視されてきました。その印象が強いため、畜産農業が今も首位だと思い込むのがこの選択肢の狙いです。実際には施設の密閉化や脱臭装置の導入、堆肥化の管理が進み、畜産農業の苦情は減ってきました。

現在、発生源の内訳で最も多いのは野外焼却です。廃棄物の焼却は原則として禁止されていますが、小規模な焼却が住宅の近くで行われると、煙とにおいが直接生活の場に届くため苦情に結びつきます。工場のような固定した施設と違い、行われる場所も時間も一定しないので、規制の網をかけにくいという難しさもあります。

苦情の中身は、大規模な工場からのにおいが中心だった時代から、身近な生活の場で起きるにおいへと重心が移ってきたという流れで捉えてください。畜産農業は減り、野外焼却やサービス業などが相対的に上位に来る、という構図です。

覚え方

  • 発生源の内訳で首位は野外焼却。畜産農業は上位に残るが、首位と書かれていたら誤り。
  • 規制する地点は敷地の境界線・気体の排出口・排出水の3つ。水が対象に入っている点が盲点になりやすい。
  • 物質ごとの濃度で測るやり方と、人の嗅覚で測るやり方の二本立て。混ざり合ったにおいには後者を使う。
  • 感覚公害(においと音)は、苦情という形でしか実態がつかめない。統計が問われたら、時代とともに身近な発生源へ重心が移ったという流れで方向を判断する。

理解度チェック

Q.

においに関する規制は、どこを測って行われますか。

敷地の境界線気体の排出口排出水の3か所です。気体だけでなく、事業場から出る水に含まれるものも規制の対象になります。

Q.

物質ごとの濃度による規制のほかに、もう一つの規制のやり方は何ですか。またその狙いは。

臭気指数による規制です。人の嗅覚を使って測るため、複数の物質が混ざり合って生じるにおいにも対応できます。物質ごとの濃度が基準内でも不快に感じられる場合があるため導入されました。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF
  • 悪臭防止法
  • 環境省「悪臭防止法施行状況調査」