平成29年度 公害防止管理者 公害総論 問2を解説|国が講ずるのは必要な措置
平成29年度 公害総論 問2は、事業を始める前に環境への影響を調べさせる仕組みを国が後押しする条文についての正誤問題です。条文の文中に引かれた5本の下線のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、環境アセスメントを誰が行い、国は何をする立場なのかという役割分担を条文どおりに読めているかを確かめる出題です。引っかけの核心は文末で国が講ずるものの名前で、条文よりも狭い言葉にすり替えられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている箇所)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 対象事業の例として挙がるのは土地の形状の変更と工作物の新設で、条文どおりです。 |
| (2) | ○(正しい) | 影響を調べる主体は事業者です。国が代わりに調べるのではありません。条文どおりです。 |
| (3) | ○(正しい) | 事業者が行うのは調査・予測・評価の3つで、しかも自ら適正に行うこととされています。条文どおりです。 |
| (4) | ○(正しい) | 配慮の根拠となるのは調査・予測・評価の結果です。見込みや方針ではありません。条文どおりです。 |
| (5) | ×(誤り) | 国が講ずるのは必要な措置です。必要な手続と言い換えるのは誤りで、条文よりも狭い意味になってしまいます。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
環境基本法の基本的施策は、多くの条文が必要な措置を講ずるという言い回しで締めくくられます。措置には、法制度をつくることも、財政上の支援も、技術的な助言や情報の提供も含まれます。これを手続と限定してしまうと、国の役割が書類の流れを定めることだけに縮んでしまいます。
役割分担も合わせて押さえます。調べ、予測し、評価するのは事業者であり、その結果に基づいて環境の保全に適正に配慮するのも事業者です。国はそれを推進する立場で、この条文自体が具体的な手続を定めているわけではありません。国が事業者に代わって評価を行うと読むのも誤りで、主語がどこにあるかを追うと下線部の当否が見えてきます。
覚え方
- 環境基本法の基本的施策は必要な措置を講ずるで終わる。手続・制度・規制など狭い語に置き換えられていたら誤りを疑う。
- アセスの主語は事業者。調査・予測・評価の3点セットを自ら適正に行い、その結果に基づいて配慮する。
- 国は推進する側。基本法は理念と方向づけを示し、具体的な手続は個別の法律が担う、という役割の分かれ方で覚える。
理解度チェック
Q.
環境影響評価の推進について、国が講ずることとされているのは何か。
必要な措置です。手続に限られるものではなく、支援や情報提供なども含む広い言葉です。
Q.
事業に係る環境への影響について、調査・予測・評価を行うのは誰か。
事業者が自ら適正に行います。国はそれを推進する立場です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- 環境基本法(平成5年法律第91号)第20条(環境影響評価の推進)
※ この記事の確認日:2026年7月