平成29年度 公害防止管理者 公害総論 問1を解説|地球環境保全の定義は地球の全体
平成29年度 公害総論 問1は、地球環境保全という用語の意味づけを扱う正誤問題です。条文の文中に引かれた5本の下線のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、環境基本法が地球規模の環境問題をどの範囲でくくっているかを、条文の言い回しどおりに読めているかを確かめる出題です。引っかけの核心は、温暖化やオゾン層の破壊などを束ねる受け皿の語の広さで、もっともらしい言い換えに狭められています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている箇所)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 対象となる温暖化は人の活動による地球全体のものと限定されています。自然の変動ではなく人為が原因という条文どおりの書き方です。 |
| (2) | ○(正しい) | オゾン層の破壊の進行に続けて列挙される地球規模の事態のひとつで、条文どおりです。 |
| (3) | ×(誤り) | 条文はこれらの事態を地球の全体又はその広範な部分と束ねています。陸域及び海域の全体と狭めるのは誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全、という受け方は条文どおりです。 |
| (5) | ○(正しい) | 定義の締めくくりは人類の福祉への貢献と、国民の健康で文化的な生活の確保への寄与です。条文どおりです。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
この定義は、温暖化・オゾン層の破壊の進行・海洋の汚染・野生生物の種の減少を並べたうえで、それらを地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態という一語でまとめる構造になっています。この受け皿を陸域及び海域の全体と言い換えると、大気が抜け落ちます。同じ文の中でオゾン層の破壊を挙げておきながら、範囲を陸と海に限るのは筋が通りません。
もう一つ押さえたいのは、この定義が国境で区切れない広がりを前提にしている点です。地球環境保全は、日本の中だけで対策が完結しない問題を指す言葉として置かれています。範囲を狭く読むと、国際的な協調を求める規定がなぜ続くのかが説明できなくなります。定義の広さは、その後に並ぶ施策の広さと対応しています。
覚え方
- 地球規模の事態を束ねる受け皿は地球の全体又はその広範な部分。陸域・海域・大気圏などと部分に分ける語が出てきたら疑う。
- 列挙されるのは温暖化・オゾン層破壊・海洋汚染・野生生物の種の減少。大気にも水にも生物にもまたがるので、受け皿は地球全体でなければ足りない。
- 定義の締めは二段構え。人類の福祉に貢献し、加えて国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する、という順。
理解度チェック
地球環境保全の定義で、温暖化やオゾン層の破壊などを束ねる範囲はどう表されているか。
地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態、と表されています。陸域及び海域に限る書き方ではありません。
この定義は、どのような温暖化を対象としているか。
人の活動による地球全体の温暖化です。自然の気候変動一般を指しているわけではありません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- 環境基本法(平成5年法律第91号)第2条第2項(地球環境保全の定義)
※ この記事の確認日:2026年7月