平成28年度 公害防止管理者 公害総論 問14を解説|PRTRの届出は年1回
平成28年度 公害総論 問14は、化学物質を管理するしくみに関する正誤問題です。5つの記述のうち正しくないものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、化学物質をどう把握し、どう伝えるかという2つの柱を制度として理解しているかを見る出題です。引っかけの核心は報告を求める頻度で、実際よりずっと短い周期に置き換えられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 環境へ出た量と、廃棄物などの形で外へ動いた量の両方を届け出るという制度の骨格が示されています。 |
| (2) | ○(正しい) | 自らの排出量を数字でつかむことが削減の出発点になるため、管理の手段として定着しています。 |
| (3) | ×(誤り) | 届出は毎年度1回で、月ごとに報告させる制度ではありません。 |
| (4) | ○(正しい) | 性状と扱い方をまとめた文書を、譲渡先へ渡して危険を共有させるしくみです。 |
| (5) | ○(正しい) | 届出の対象外となる小規模事業者や家庭・自動車などからの分は、国が推計して積み上げます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
この制度で事業者に課されているのは、毎年度1回、前の年度の排出量と移動量をまとめて届け出ることです。月ごとに報告させる仕組みではありません。制度の狙いは、排出の実態を事業者自身につかませ、それを公表することで自主的な管理の改善を促すところにあり、リアルタイムでの監視や取締りではないからです。頻度を上げれば精度が上がりそうに見えても、制度の目的から外れます。
あわせて、化学物質を管理するための法律が2つの柱でできている点を押さえておきます。ひとつは事業者から国へ量を届け出させる柱、もうひとつは事業者から事業者へ性状と扱い方を伝えさせる柱です。この2本を混同すると、届け出る相手と伝える相手が入れ替わります。さらに、届出だけでは国全体の量は分かりません。届出の対象にならない発生源からの分は国が別に推計しており、両者を足して初めて全体像になります。
覚え方
- 排出量・移動量の届出は毎年度1回。月次でも四半期でもない。
- 制度は2本立て。事業者から国への届出と、事業者から事業者への情報提供。
- 届け出るのは環境へ出た量と、廃棄物などとして外へ動いた量の両方。
- 国全体の量は届出分だけでは足りない。家庭や自動車などからの分は国が推計して足し合わせる。
理解度チェック
Q.
排出量と移動量の届出はどの頻度で行うか。
毎年度1回、前年度分をまとめて届け出ます。
Q.
国全体の排出量はどのように把握されるか。
事業者からの届出分に、届出の対象外となる発生源について国が推計した分を足し合わせて把握します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号)第5条
- 環境省・経済産業省「PRTRデータの概要」
※ この記事の確認日:2026年7月