平成28年度 公害防止管理者 公害総論 問11を解説|BODが最大・全りんが最小
平成28年度 公害総論 問11は、生活排水に含まれる汚濁物質の1人1日当たりの量を多い順に並べる問題です。正しい並びを選びます。
この問題のポイント
この問題は、家庭から出る排水にどの成分がどれだけ含まれるかを、量の大小の関係として押さえているかを見る出題です。分かれ目は有機物の指標どうしの前後と、栄養塩どうしの前後の2か所だけで、この2点が決まれば並びは一通りに決まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(正しい並び)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 栄養塩の順序が逆です。りんが窒素より多くなることはありません。 |
| (2) | ○(正しい) | 有機物の指標が先に来て、栄養塩が後に続き、栄養塩の中では窒素がりんを上回ります。 |
| (3) | ×(誤り) | 窒素を有機物の指標より前に置いている点が誤りです。 |
| (4) | ×(誤り) | 先頭が入れ替わっており、栄養塩の順序も逆になっています。 |
| (5) | ×(誤り) | 先頭の入れ替わりに加え、窒素を有機物の指標より前に置いており、二重に誤っています。 |
ここが分かれ目
最初の分かれ目は、有機物の指標どうしの前後です。生活排水を測ると、生物が分解できる有機物を拾うBODのほうが、薬品で酸化して測るCODより大きな値になります。台所や風呂から出る汚れは分解されやすいものが中心だからです。先頭が入れ替わっている並びは、この時点で落とせます。
もうひとつの分かれ目は栄養塩どうしです。生物の体をつくる元素の比を考えれば分かるとおり、窒素はりんより一けた多く必要とされる元素で、排水に出てくる量も窒素が上回ります。りんを窒素の前に置いた並びはすべて誤りです。量の水準としては、有機物の指標が数十グラムの水準にあるのに対し、りんは桁がいくつも小さくなります。この開きの大きさが、富栄養化の対策でりんの除去が効きやすい理由にもつながっています。取り除くべき絶対量が少ないぶん、処理で落としきりやすいからです。
覚え方
- 生活排水の原単位はBOD>COD>全窒素>全りんの順。
- 有機物の指標が先、栄養塩が後。栄養塩どうしでは窒素がりんより大きい。
- 生活排水を測るとBODのほうがCODより大きい値になる。分解されやすい汚れが中心のため。
- りんは量が小さいぶん処理で落としきりやすい。富栄養化対策でりんが狙われる理由と結び付けて覚える。
理解度チェック
生活排水の原単位を多い順に並べるとどうなるか。
BOD、COD、全窒素、全りんの順です。
生活排水では、なぜBODがCODより大きな値になるのか。
生活排水の汚れは生物に分解されやすい有機物が中心で、その分解に使われる酸素量を測るBODのほうが大きく出るためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF)
- 環境省「生活排水対策」関係資料(汚濁負荷の原単位)
※ この記事の確認日:2026年7月