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平成28年度 公害防止管理者 公害総論 問9を解説|環境基準の値と注意報の目安は別物

平成28年度 公害総論 問9は、光化学オキシダントに関する5つの記述を並べ、そのうち正しくない記述が何個あるかを答える問題です。

この問題のポイント

この問題は、生成のしくみ・基準の値・監視の実態という3方向から、光化学オキシダントの基礎を確かめる出題です。引っかけの核心は、環境基準の値と注意報を出す目安の値を入れ替えて示している点で、数字は見覚えがあるのに置き場所が違う、という作りになっています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)(誤っている記述は3つ)

各記述の正誤

記述正誤読み解き
○(正しい)窒素酸化物と揮発性有機化合物が日射のもとで反応して生じる、いわゆる二次生成物です。
×(誤り)示された値は注意報を出す目安であって、環境基準の値ではありません。基準の値はこれより低く定められています。
×(誤り)高い値を記録した測定局の数は増える傾向にはありません。横ばいから減少の側で推移してきました。
×(誤り)オゾンが中心である点は正しいものの、占める割合はここに示された程度ではなく、はるかに高いのが実際です。
○(正しい)注意報が出される日数は気象条件に左右され、年ごとに大きく振れます。

ここが分かれ目

この問題の勝負どころは、環境基準の値と、注意報を出す目安の値を混同しないことです。出題当時、光化学オキシダントの環境基準は1時間値で0.06ppmを超えないこととされており、これは大気の汚染に係る環境基準の告示に基づく値です。一方、問題文に現れている数字は健康被害のおそれが高まったときに自治体が注意報を出す目安であって、達成すべき目標の値ではありません。同じ単位の数字が2つ並ぶため、役割で区別する必要があります。

もう一点は、成分の占め方です。光化学オキシダントは酸化性の物質をまとめて指す呼び名で、その大半をオゾンが占めます。半分強にすぎないと読むと、残りに何が入るのかという疑問が残り、実態と合いません。高い値を記録する測定局の数についても、当時は増加が続いている状況ではありませんでした。なお環境基準そのものは近年見直され、オゾンとして8時間の値と、日最高8時間値の年平均値で評価する形に改められています。出題当時の1時間値による基準と混ぜないよう注意してください。

覚え方

  • 光化学オキシダントは窒素酸化物と揮発性有機化合物が日射で反応してできる二次生成物。煙突や排気管から直接出るものではない。
  • 大半を占めるのはオゾン。ほかの酸化性物質はごく一部にとどまる。
  • 環境基準の値と、注意報を出す目安の値は別物。基準の値のほうが低い。
  • 注意報が出る日数は日射と気温に左右される。年ごとの増減は珍しくない。

理解度チェック

Q.

光化学オキシダントはどのようにして生じるか。

大気中の窒素酸化物揮発性有機化合物が、日射を受けて反応することで生じます。直接排出される物質ではありません。

Q.

光化学オキシダントの大部分を占める物質は何か。

オゾンです。ほかの酸化性物質が占める割合はごくわずかです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF
  • 大気の汚染に係る環境基準について(昭和48年環境庁告示第25号)
  • 環境省「大気汚染状況について(大気汚染防止法施行状況報告)」