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平成28年度 公害防止管理者 公害総論 問8を解説|平均海面水位は上昇する

平成28年度 公害総論 問8は、地球温暖化が引き起こす変化の見通しを扱う正誤問題です。5つの記述のうち正しくないものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、評価報告書に並ぶ影響の見通しを、方向として理解できているかを見る出題です。引っかけの核心は上がると予測されているものを下がると書き替えた点にあり、幅の数値を覚えていなくても向きだけで判定できます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)海水温の上昇で共生藻が失われる白化が広がり、群集そのものが失われる恐れが指摘されています。
(2)×(誤り)平均海面水位は上昇すると予測されており、下がる見通しではありません
(3)○(正しい)降水の増える地域と減る地域に分かれ、高緯度の地域と湿った熱帯では使える水が増える側に入ります。
(4)○(正しい)媒介する生物の生息できる範囲が気温上昇に伴って移り、感染症の分布も動きます。
(5)○(正しい)海面の上昇と高潮の強まりが重なり、低地の浸水や暴風雨の被害が拡大する見通しです。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

気温が上がると、まず海水そのものが熱で膨らみます。これに氷河や氷床が解けた水が加わるため、平均海面水位は上がる方向にしか動きません。低下すると読むと、同じ設問の中にある沿岸域の浸水被害が増すという見通しと真正面から矛盾します。選択肢どうしのつじつまが合わない箇所を探すだけでも、この肢は落とせます。

影響予測の設問で数値を追いかけるのは得策ではありません。報告書の版や想定するシナリオが変われば、上昇幅の数値は動きます。一方で、海面は上がる、サンゴは白化する、媒介生物の分布は動く、という向きは版をまたいでも変わりません。なお水の利用しやすさだけは地域で向きが割れ、高緯度の地域や湿った熱帯では増え、中緯度の乾いた地域では減るとされます。増減が一律でない項目がある、という点も押さえておきます。

覚え方

  • 温暖化の影響は海面水位は上昇、サンゴは白化、媒介生物の分布は変化。向きで覚える。
  • 海面上昇の要因は2つ。海水の熱膨張と、氷河・氷床の融解。
  • 水の利用しやすさだけは地域で向きが割れる。高緯度の地域・湿った熱帯では増え、中緯度の乾燥地域では減る。
  • 数値は報告書の版とシナリオで動くが、向きは動かない。覚えるなら向きを先に。

理解度チェック

Q.

温暖化が進むと平均海面水位はどう変化すると予測されているか。

上昇します。海水の熱膨張に、氷河や氷床の融解水が加わるためです。

Q.

水の利用しやすさは、どの地域で増えると予測されているか。

高緯度の地域と湿った熱帯です。中緯度の乾燥地域では逆に減るとされ、向きが地域で分かれます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF
  • IPCC 第4次評価報告書(2007年)第2作業部会報告