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平成28年度 公害防止管理者 公害総論 問7を解説|温室効果ガスは減っていなかった

平成28年度 公害総論 問7は、環境の現況に関する正誤問題です。5つの記述のうち正しくないものを選びます。

この問題のポイント

この問題は、白書などで公表される各分野の推移を、増えているか減っているかという向きで押さえているかを見る出題です。引っかけの核心は、増えていた項目を減ったと言い切るという向きの反転にあります。細かい割合を覚えていなくても、向きさえ分かれば切れます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)当時の総排出量は基準年より減っておらず、むしろ上回っていました。震災後に火力発電の稼働が増えた時期にあたります。
(2)○(正しい)国際的な取決めで生産が段階的に止められた結果、大気中の濃度は下向きに転じています。
(3)○(正しい)排出ガス規制と車両の入替えが進み、一般環境の測定局でも道路沿いの測定局でも年平均値は下がってきています。
(4)○(正しい)有機汚濁に関する達成率は、大きく動かず横ばいのまま続いています。
(5)○(正しい)悪臭の苦情件数は長く続けて減少してきました。規制と指導が積み上がった分野です。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

出題当時の温室効果ガスの総排出量は、基準となる年度と比べて減少ではなく増加した状態にありました。原子力発電所の停止を受けて火力発電の比重が高まり、電力を起点とする二酸化炭素の排出が押し上げられていた時期だからです。排出量が明確に下向きに転じたのはその後で、この問題が出た時点では、削減が進んだという書きぶりは事実と逆になります。

現況の設問で確実に得点するには、数値ではなく向きを覚えるのが近道です。割合や順位を思い出そうとすると、出典や年度の違いで簡単にぶれます。規制物質のように国際的な枠組みで生産が絶たれたものは下がる、有機汚濁のように多数の発生源が絡むものは横ばいが続く、といった分野ごとの癖をつかんでおくと、はっきり反対を向いた記述だけが浮かび上がります。

覚え方

  • 現況の問題は増減の向きから判定する。割合や順位の暗記は後回しでよい。
  • 下向きが定着しているもの=オゾン層を壊す物質の大気中の濃度、二酸化窒素、悪臭の苦情件数。
  • 横ばいが続くもの=公共用水域の有機汚濁に関する環境基準の達成率。河川に比べ湖沼や海域は達成率が低い。
  • 温室効果ガスは電源構成に強く引きずられる。火力の比重が上がった時期は排出も上がる。

理解度チェック

Q.

出題当時の温室効果ガス総排出量は、基準年と比べてどうだったか。

減っておらず、上回っていました。火力発電の稼働が増えた時期にあたります。

Q.

公共用水域の有機汚濁に関する環境基準の達成率は、どのように動いているか。

大きく変わらない状態が続いています。河川に比べて湖沼や海域は達成率が低いままです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成28年度 公害防止管理者等国家試験 公害総論 問題」(公式PDF
  • 環境省「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」
  • 環境省「日本の温室効果ガス排出量データ」