平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問15を解説|環境調査結果の読み方
平成30年度 ダイオキシン類概論 問15は、平成27年度に全国で行われた常時監視の集計をもとに、媒体ごとの達成状況を問う正誤問題です。誤っている記述を選びます。
この問題のポイント
細かい地点数を覚えていなくても、媒体ごとの達成状況にははっきりした型があるため、そこを押さえていれば解けます。空気と地下水はきれいになりきっており、超過が残るのは水域だけ、という並びです。判断を誤らせにくくするために5行のうち4行は同じ向きに書かれており、超過が残る媒体を一つ増やして書いた行が紛れ込んでいます。土に触れる媒体をどちらに置くかが、そのまま得点差になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 空気は排出削減の効果が最も早く表れる媒体で、この年度も調査した全地点が基準を満たしています。 |
| (2) | ○(正しい) | 水域だけは超過地点が残っており、水そのものと水底にたまった泥の双方で報告されています。 |
| (3) | ○(正しい) | 地下は土の層を通る間にほとんど捕まえられるため到達しにくく、超過地点は報告されていません。 |
| (4) | ×(誤り) | この年度の集計では超過した地点は報告されていません。超過が残っていたのは水域側だけです。 |
| (5) | ○(正しい) | 同じ地点を追い続けた平均値は下向きに動いており、排出削減が効いていることを示しています。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
誤りの正体は、超過が残る媒体を一つ多く書いたところにあります。集計を媒体で並べると、空気・地下水・土は基準を満たし、公共用水域の水質と底質だけに超過地点が残る、という形になります。土を水域と同じ側に置くと外れます。
この型になる理由は物質の性質から説明できます。ダイオキシン類は水になじまず、粒子や有機物にくっついて動くため、降り積もった先で動きが止まります。空気中の量が減れば大気の濃度はすぐ下がりますが、いったん川や海の底に沈んだ分は流れ去らず、泥の中に留まって少しずつ水へ戻ります。水域の改善だけが遅れるのはこのためで、底質の超過と水質の超過は連動して現れます。
一方、地面に落ちた分は表層の土に吸着されたまま深くへ移動しにくく、地下水にはほとんど届きません。地下水で超過が出ないのは、土が濾し取っているからだと理解しておくと、地下水と土壌の二つをまとめて処理できます。水域だけが取り残されるという一文で全体を覚えるのが近道です。なお媒体ごとの超過地点の有無は年度ごとの集計で変わりうるため、地点数まで踏み込まず、どの媒体に超過が残りやすいかという傾向で押さえておくのが安全です。
覚え方
- 達成状況の型は空気・地下水・土は達成、残るのは水域の水と底の泥。
- 理由は疎水性。水に溶けず粒子について沈み、底にたまってから少しずつ戻る。
- 地下水に届かないのは、表層の土が吸着して濾し取るため。
- 継続して測っている地点の平均値は下向き。排出削減の効果は空気に最も早く出る。
- 調査結果の正誤問題は、超過が残る媒体を増やす改変を最初に疑う。
理解度チェック
超過地点が残りやすいのはどの媒体ですか。
公共用水域の水質と底質です。水に溶けにくく粒子について沈むため、底にたまった分がなかなか減りません。
地下水で超過が出にくいのはなぜですか。
表層の土に吸着されるからです。水になじまない性質のため下へ移動しにくく、地下水まで届きにくくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月