平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問9を解説|TEFの与えられ方
平成29年度 ダイオキシン類概論 問9は、健康影響の種類、毒性の重みづけの決め方、重みを割り当てられた仲間の数について問う正誤問題です。誤りのある記述を選びます。
この問題のポイント
毒性の重みづけは、最も強い一つを基準の1と決め、他をその何分の一かという相対値で表す仕組みです。すべての仲間に重みが与えられるわけではなく、骨格の四隅にあたる位置が塩素で埋まった仲間だけが対象になります。この条件を満たす仲間の数は、三つのグループごとに決まっており、合計は暗記しておく価値のある値です。引っかけの核心はこの内訳の数字にあり、二か所が同時にずらされています。他の四つは仕組みの説明で、いずれも教科書どおりの内容です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | がんを起こす働き、肝臓への障害、免疫の乱れ、次の世代への影響と、幅広い作用が動物実験で報告されています。 |
| (2) | ○(正しい) | 最も強い一つを1と置き、他を相対値で示す方式です。だから合計した量を一本の指標に換算できます。 |
| (3) | ×(誤り) | 酸素1個の骨格とビフェニル系の数が二つとも合いません。正しくは10と12で、合計は29になります。 |
| (4) | ○(正しい) | 骨格の四隅にあたる位置が塩素で埋まっている点が、重みを与える最低条件になっています。 |
| (5) | ○(正しい) | ビフェニル系の中で最も大きい重みは、基準の10分の1にあたる値です。ジオキシン側の最大には届きません。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
覚え方の順番としては、まず合計29を頭に入れ、その内訳を割り当てるのが確実です。酸素2個の骨格が7、酸素1個の骨格が10、ビフェニル系が12。足すと29になります。この肢は後ろの二つをそれぞれ1つずつずらしてあり、合計すると29を超えてしまいます。合計を先に覚えておけば、内訳のどれかが動いた時点で気づけます。
内訳の大小には理由があります。酸素1個の骨格のほうが酸素2個の骨格より多いのは、そもそも仲間の総数が倍近く多いからです。対称性が低いぶん位置の違いが残りやすく、四隅が埋まる並びも多く生まれます。母数が多ければ条件を満たす数も多いという、単純な関係です。ビフェニル系がさらに多いのも同じ理屈ですが、こちらは条件の中身が違います。
ビフェニル系で重みが与えられるのは、二つの環が同じ平面に並べるものに限られます。環と環をつないでいる結合のすぐ隣の位置に塩素が入ると、かさばって環どうしがねじれ、平面を保てなくなります。平面でなくなると、体内で毒性の引き金を引く受け皿にはまらなくなるため、重みの対象から外れます。つなぎ目の隣が空いているかどうかが、ビフェニル系の分かれ目です。この条件を満たす仲間だけが数え上げられて12になっています。
最後の肢にある「ビフェニル系の最大値」も、あわせて覚えておく価値があります。ビフェニル系の中で最も大きい重みでも、基準となる物質の10分の1にとどまります。グループの上限が違うことを知っていると、複数のグループが混ざった濃度データを見たときに、どこが効いているかの見当がつきます。
覚え方
- 重みが与えられるのは合計29種類。内訳は7・10・12。
- 内訳の大小は、そもそもの仲間の数の多さがそのまま反映される。
- ジオキシン系とフラン系は四隅が塩素で埋まっている点が条件。
- ビフェニル系はつなぎ目の隣が空いて平面をとれることが条件。上限は基準の10分の1。
理解度チェック
毒性の重みを割り当てられた仲間は、全部で何種類ですか。
29種類です。内訳は酸素2個の骨格が7、酸素1個の骨格が10、ビフェニル系が12になります。
ビフェニル系で重みが与えられるのは、どんな条件を満たすものですか。
二つの環が同じ平面に並べるものです。つなぎ目の隣に塩素が入るとねじれて平面を保てず、対象から外れます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
- 環境省ほか関係省庁共通パンフレット「ダイオキシン類」(毒性等価係数を割り当てられた異性体の数)
※ この記事の確認日:2026年7月