平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問5を解説|公害防止管理者を要する施設
平成29年度 ダイオキシン類概論 問5は、公害防止組織法の政令が挙げるダイオキシン類の発生設備について、五つの中から当てはまらないものを1つ選ぶ問題です。当てはまらない設備を選びます。
この問題のポイント
この設備の一覧は、工場に有資格者を置かせるかどうかを決めるための線引きです。並んでいる設備の顔ぶれ自体は、ダイオキシン類対策特別措置法の政令とほぼ重なります。ですから設備名を見て「聞いたことがある」と思っても、それだけでは正解に届きません。決め手になるのは規模の下限です。とりわけ焼却炉は、二つの物差しのどちらかを満たせば対象という書き方をされており、その数字を覚えているかどうかで一問が決まります。似た値が他の制度にも散らばっているため、混ぜて記憶していると足をすくわれます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(当てはまらない設備)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(該当する) | 鋼をつくる電気炉は、変圧器の容量で規模を測ります。示された下限は政令のとおりです。 |
| (2) | ×(該当しない) | 焼却炉の能力の下限が政令の値より一桁近く小さく設定されており、その規模では対象になりません。 |
| (3) | ○(該当する) | 硫酸カリウムをつくる工程で出るガスを水で洗う設備で、水側の対象に挙げられています。 |
| (4) | ○(該当する) | 塩化ビニルの原料をつくる工程の洗浄設備です。塩素を含む有機物を水で扱うため対象になります。 |
| (5) | ○(該当する) | カーバイドからアセチレンをつくる工程の洗浄設備で、これも水側の一覧に載っています。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
焼却炉の規模は、二つの物差しのどちらかを満たせば対象、という書き方をされています。一つは炉床に敷かれた火格子の広さで、下限は2平方メートルです。もう一つは1時間にどれだけ燃やせるかという能力で、下限は200キログラムです。炉が複数あるときは、合計して判断します。この肢が示している値は、後者の下限を大きく下回っており、対象の入り口にすら達していません。
この数字が紛らわしいのは、焼却炉をめぐる制度が何本も並走しているからです。廃棄物処理法の側では、もっと小さな炉にも構造や運転の決まりが及びます。自治体の条例が独自の下限を置いていることもあります。しかし有資格者の選任義務がかかる下限はこの一組であり、他制度の数字を持ち込むと外れます。数字を覚えるときは「何の制度の、何を決めるための線か」を必ずセットにしてください。
あわせて押さえたいのが、電気炉の測り方です。焼却炉は燃やす量で測るのに対し、電気炉は変圧器の定格容量という電気側の指標で測ります。同じ一覧の中でも、設備の性格に応じて物差しが変わるわけです。能力の単位が違えば、覚えた数字を機械的に当てはめてはいけません。焼却炉なら火格子の面積と1時間の能力、電気炉なら変圧器の容量、と対応づけて記憶しておくと、規模要件を入れ替えた出題にも耐えられます。
覚え方
- 焼却炉の下限は火格子2平方メートル以上、または1時間200キログラム以上。どちらか一方を満たせば対象。
- 炉が複数あるときは能力を合計して判断する。
- 電気炉は燃やす量ではなく変圧器の定格容量で測る。設備ごとに物差しが違う。
- 水側は「洗う」工程が並ぶ。廃ガス洗浄・二塩化エチレン洗浄・アセチレン洗浄をひとまとめに。
理解度チェック
焼却炉が対象になる規模の下限は、どのように定められていますか。
火格子面積2平方メートル以上、または1時間あたりの焼却能力200キログラム以上です。どちらか一方を満たせば対象になります。
製鋼用の電気炉は、何を基準に規模を測りますか。
変圧器の定格容量です。処理量ではなく電気設備の容量で線を引いている点が特徴です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
- 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令 別表(ダイオキシン類発生施設)
※ この記事の確認日:2026年7月