平成29年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問3を解説|設置届出書の記載事項
平成29年度 ダイオキシン類概論 問3は、特定施設を新しく置くときに知事へ出す届出書へ、何を書き込むことになっているかを問う正誤問題です。書く必要のないものを1つ選びます。
この問題のポイント
届出の制度は、行政がその施設を現地で確かめ、後から監督するために要る情報を、あらかじめ紙の上でそろえておく仕組みです。ですから記載事項は、どこに何を置き、どう動かし、出るものをどう処理し、どこを測るのか、という目で確かめられる事実関係で構成されます。加えて事故が起きたときの連絡手段も入ります。引っかけの核心は、内容そのものは学問的に正しいのに、事業者が届出書に書くべき性質の情報ではないものが一つ紛れている点です。正しいか誤りかではなく、監督に使えるかどうかで切り分ける必要があります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(書く必要のない事項)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(記載する) | ガスがどこで生まれ、どの装置を順にくぐって外へ出るのか、そのどこで測るのかは、立入検査の下敷きになります。 |
| (2) | ○(記載する) | 施設から生じたガスをどう処理するかは、排出基準を守れる設計かどうかの判断材料です。 |
| (3) | ○(記載する) | 水を使う側の施設では、入り口から出口までの水の道すじを示します。大気側の系統図と対になる項目です。 |
| (4) | ×(記載しない) | どんな化学反応でこの物質ができるのかという理屈の説明は、事業者ごとに書き分けるものではなく、届出書の項目に入っていません。 |
| (5) | ○(記載する) | 事故や異常のときに誰へどうつなぐかは、時間との勝負になるため独立した項目として置かれています。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
届出書の項目を一つずつ見ていくと、共通する性格が浮かびます。施設の種類、構造、使い方、出るものの処理方法、系統、測定を行う位置、そして緊急時の連絡先。いずれもその事業場に固有で、書き手によって答えが変わる情報です。行政は届出を受け取ってから一定の期間、工事に着手させずに内容を審査し、必要なら計画の変更を命じます。審査に耐えるのは、こうした現物に紐づいた記載だけです。
これに対し、生成の仕組みそのものは教科書に書かれている一般的な知識で、A社が書いてもB社が書いても中身は同じになります。事業場ごとの違いを写し取れない情報は、監督の材料にならないため、届出事項として求められていません。行政がその施設について知りたいのは「なぜ生じるか」ではなく「どれだけ出て、どこで測れて、どう抑えるか」です。
この肢が厄介なのは、書かれている内容自体は間違っていないところです。ダイオキシン類がどのような機構で生じるかは、実際に排出を抑えるうえで重要な知識でもあります。だからこそ、正しい知識かどうかで選ぶと必ず外します。届出事項を問われたら、いったん内容の当否を脇に置き、「行政が現地でこの記載と実物を突き合わせられるか」という一点だけで判定してください。同じ発想は、大気汚染防止法や水質汚濁防止法の届出事項の問題にもそのまま使えます。
覚え方
- 届出書に書くのは置く・使う・処理する・測る+緊急連絡先の5点セット。
- 大気側は排ガスの系統と測る位置、水側は用水と排水の道すじ。対で覚える。
- 教科書に載っている一般論は届出事項ではない。書き手が変わっても同じ答えになる情報は落とす。
- 判定基準は「行政が現物と突き合わせられるか」。内容の正しさで選ばない。
理解度チェック
届出事項かどうかを見分けるとき、どんな基準で切ればよいですか。
行政が現地で確かめられる、その事業場に固有の事実かどうかです。内容が学問的に正しいかどうかは関係ありません。
水を使う側の施設で、大気側の系統図に対応する記載事項は何ですか。
用水と排水の系統です。水がどこから入り、どの処理を経てどこへ出るのかを示します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成29年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
- ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第12条、同法施行規則
※ この記事の確認日:2026年7月