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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問25を解説|測定の精度管理

平成30年度 ダイオキシン類特論 問25は、出てきた値を信じてよいと言えるために、どんな確認をどの水準で行うのかを問う正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

この分野の管理項目は、意味を考えれば向きが決まるものと、数字そのものを覚えるしかないものに分かれます。目印の残り具合に幅を持たせること、汚れの検査を室内用と運搬用の二本立てにすること、同じ試料を二つに分けて突き合わせること、これらは理屈で説明がつきます。一方、装置に求める感度の水準は、化合物の群ごとに具体的な値が決められており、理屈では導けません。この問題の引っかけもそこにあり、見慣れた形の数字を一段緩めて置き換えた選択肢が混ざっています。塩素の数が多い群ほど値が緩くなるという並びは頭に入りますが、塩素で二つの環がつながった群だけは別枠で覚える必要があります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(2)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)○(正しい)定量の基準になる目印について定められた許容範囲です。外れたときは原因を取り除き、精製からやり直すか試料を採り直します。
(2)×(誤り)塩素で二つの環がつながった群に求められる水準は、示された値の半分です。緩い数字に置き換えられています。
(3)○(正しい)評価したい濃度に対して十分な余裕を持たせる決まりです。採取量を決めるときも、この関係から必要量を逆算します。
(4)○(正しい)室内の操作で入り込む汚れと、現場への往復で入り込む汚れは原因が違うため、それぞれ別の空試験で切り分けます。
(5)○(正しい)水の試料では同じ試料から二つ以上を調製して測り、値のそろい方を確かめます。操作全体の信頼性を裏付ける手順です。

選択肢(2)のポイント(ここが誤り)

装置に求める感度の水準は、塩素の数が増えるほど緩くなる向きで並んでいます。塩素が4個や5個の群に対しては0.1 pg、6個や7個では0.2 pg、8個では0.5 pgという具合です。塩素が多い分子ほど装置の中で扱いにくく、同じ感度を求めるのが酷だからです。ここまでの並びは覚えやすく、設問の数字も一見なじみます。ところが塩素で二つの環が直接つながった群に定められている値は0.2 pgであり、設問はその倍を書いています。8個の塩素を持つ群と並ぶような緩い水準ではありません。

この違いを軽く見てはいけません。装置の感度は、この後に続くすべての限界値の出発点になります。出発点を緩めれば、前処理を含めた限界値も、採取量で割った試料側の限界値も、そろって緩みます。その結果、評価しなければならない濃度に対して必要な余裕が確保できなくなり、規制値との比較そのものが成り立たなくなります。だからこの水準は、外れても構わない参考値ではなく、器具や機器を点検して値以下に調節すべき管理値として書かれています。なお、毒性の重みが大きい成分を含む群ほど、感度不足の影響は毒性等量の計算に直接響きます。数値を覚える価値が高いのはこの部分だと割り切って、群ごとの値を押さえておいてください。

覚え方

  • 装置に求める感度は塩素4個・5個で0.1 pg、6個・7個で0.2 pg、8個で0.5 pg。塩素が多いほど緩い。
  • 塩素で二つの環がつながった群は別枠。値は0.2 pgで、8個の群ほど緩くはない。
  • 空試験は室内用と運搬用の二本立て。前者は操作の汚れ、後者は往復の汚れを見る。
  • 感度の水準は下流のすべての限界値の出発点。ここを緩めると規制値との比較が崩れる。

理解度チェック

Q.

塩素の数が多い群ほど、装置に求める感度の水準が緩いのはなぜですか。

分子が重く扱いにくくなるからです。装置の中で気化しにくく信号も出にくいため、同じ水準を一律に求めるのが現実的ではありません。

Q.

室内用の空試験と運搬用の空試験は、それぞれ何を切り分けますか。

室内の操作で入る汚れと、現場への往復で入る汚れです。二つを比べることで、汚れがどこで混入したのかを特定できます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF
  • JIS K 0311(排ガス中のダイオキシン類の測定方法)