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平成30年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問1を解説|揮発分の多さとすすの生成

平成30年度 ダイオキシン類特論 問1は、石炭のような塊の燃料を熱い炉へ放り込んだとき、黒い煙が出やすくなるのはどんな燃料かを判断させる穴埋め問題です。ア~ウに入る語句の正しい組合せを選びます。

この問題のポイント

石炭の仲間は、地中で炭になりきった度合いによって性格が大きく変わります。炭化があまり進んでいないものは、熱を受けると分解して可燃性のガスをどっと吐き出す成分を多く抱えており、逆に炭化が進みきったものはガスになる成分が乏しく、残った炭素が主体です。この差が、燃やしたときの見た目をそのまま分けます。引っかけの核心は、高温の炉ほどよく燃えるのだから煙は出ないはずだ、と考えてしまうところにあります。ガスが出る速さに酸素の供給が追いつかないとき、燃えきれなかった炭素が黒い粒として残ります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)

各選択肢の正誤

空欄入る語句読み解き
泥炭炭になりきる手前の若い段階の燃料で、加熱で分解する成分を多く残しています。もう一方の候補である無煙炭は炭化が最も進んだ側で、ガスを吹き出す成分が乏しく、この文脈の例には合いません。
多い熱を受けた瞬間に大量の可燃性ガスが放出される、という後ろの記述と一続きになる語です。乏しい燃料であれば急激な放出そのものが起こりません。
しやすい粒のまわりで酸素が足りなくなると、放出された炭化水素が酸素と出会えないまま脱水素と重合を起こし、固体の炭素粒として残ります。

ここが分かれ目

手がかりは、燃料名を性質に翻訳できるかどうかの一点です。炭化の度合いが進むほど、加熱で気体になる成分は減り、そのまま燃え残る炭素の割合が増えます。泥炭は炭化がほとんど進んでいない若い側、無煙炭は進みきった側にあたり、揮発分の多さは炭化度の裏返しという関係で結ばれています。したがってアとイは連動して決まり、片方だけを当てにいく余地はありません。無煙炭を選んだ時点で、揮発分が多いという条件と噛み合わなくなります。

もうひとつの分かれ目が、すすがどういう場面で生まれるかという理解です。すすは燃料が悪いから出るのではなく、燃料が出す量に酸素の届く量が負けたときに出ます。揮発分が一気に放たれると、粒のすぐ近くのガスは燃料過剰の状態になり、酸素が中心部まで拡散していく前に炭素どうしが結び付いてしまいます。高温であることは、この分解と放出をむしろ速める向きに働きます。炉が熱いから安心という直感は、この問題では逆向きです。すすや黒煙が出ている炉は酸素不足のしるしであり、ダイオキシン類の抑制という観点でも避けたい状態にあたります。

覚え方

  • 炭化が進むほど揮発分は減り、固定炭素が増える。泥炭が若い側、無煙炭が進みきった側
  • 揮発分が多い燃料は着火が早く、炎が長く、黒煙が出やすい。
  • すすの正体は酸素不足。燃料の出方に空気の供給が追いつかないときに生まれる。
  • 黒煙・すす・一酸化炭素は、どれも不完全燃焼を告げる同じ側の合図。

理解度チェック

Q.

揮発分が多い燃料と少ない燃料は、何の違いで分かれますか。

炭化がどこまで進んだかです。若い段階のものほど加熱で気体になる成分を多く抱え、進みきったものは燃え残る炭素が主体になります。

Q.

高温の炉に入れたのに、すすが出てしまうのはなぜですか。

ガスの放出速度に酸素の供給が追いつかないからです。高温は分解を速める向きに働くため、粒の近くだけが燃料過剰になります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF